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桜と絵本と豆乳と

「もしかして」はきっかけワード

2022年07月05日 | 絵本
 先月から町内4つのこども園の読み聞かせをスタートさせた。選書をどうするかはいつも大きな課題だが、小学校と違って簡単につなげる大型TVがないので、やはり大型絵本が中心になる。ただ、冊数が限られていて、やはり通常サイズのしかも絵が大きい体裁の本を見つける必要がある。その最初の一冊がこれ。


『もしかして』(クリス・ホートン作  木坂涼 訳  BL出版) 

    


 赤、白を基調とした背景色なのですっきり見えるだろう。切り絵風にデフォルメされたサルは印象深い。物語の展開も繰り返しが用いられていて、調子もよく、これなら20人ぐらいまでなら大丈夫かと取り上げることにした。親や主人の言う事を守らない三匹の兄弟?サルという設定は、世界共通の古典的なものか。


 最初に「もしかして」と口を開いた者の思いが伝搬していく様子が楽しい。もしかして可能か、許されるか、大丈夫か…と自分たちの都合のいい方に思考が流れていき、そのあげく危機に見舞われるが、なんとかしのぎ、凝りもせずにまた同じような思考が頭をもたげてくる…歴史的にもよくあるパターンなのだろう。


 さて、読み聞かせで留意したい点を考えたとき…さほど難儀な箇所があるわけではない。しかしトラの登場は迫力が必要だし、一箇所絵本を持ち替える(縦にする)必要があるので、そこは大切だ。「もしかして」は日常語だが、想像力のもとになるきっかけのワードでもある。流行るくらいに(笑)印象づけられるか。