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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



高校サッカー・決勝
藤枝東 0対4 流通経済大柏
2008/1/14 国立競技場

準決勝に続いて、流経大柏の大前元紀が爆発した。2得点1アシストに加え、4点目の起点となったCKも含めると、全4得点にからむ大活躍だった。

最初はアシストだった。前半6分。ペナルティエリア内の右サイドでボールを受けると、藤枝東のDFを3、4人とひきつけてから、フリーで駆け上がったきたMF村瀬にパス。村瀬はゴールに向かって蹴りこむだけだった。

試合開始1時間前に当日券が完売したほどの超満員の観客が、あっけない先制点に、そして大前の鋭い身のこなしと鮮やかなラストパスにどよめいた。

しかし、本当の大前劇場は後半だった。まず3分に、シュートを防がれたこぼれ球からの折り返しを左足でボレー。ゴール左サイドからのほとんど角度のないところから、GKとゴールポストのボール1個分の隙間を抜けた信じられないゴールだった。藤枝東の選手たちを呆然とさせ、国立の観客を大前のとりこにした強烈な一発だった。

その次は、カウンターからの速攻。流経大柏3人に対して、守る藤枝東のDFは2人。左サイドを駆け上がっていた大前は、センターからのパスを右足でダイレクトでゴールの右隅に突き刺した。三度国立をどよめかせた鮮やか過ぎるゴールは、惜しくもオフサイドとなった。

後半17分には、左サイドからのクロスにゴール前であわせて、難なくゴールを決めた。

その後は、足をつったような素振りをみせ、運動量が落ちてしまったのが残念だった。しかし、近年、国立で、これほどまでにインパクトのあるプレーを披露した選手はいなかったのではないか。

小柄ながら、スピードがあり、しかもそのスピードに鋭い変化をつけられ、右足でも、左足でも、頭でもゴールを決めることができる。ゴール前でのポジショニングもいい。味方とのパスワークのなかで、ワンタッチで、味方のテンポを変え、相手のリズムを狂わせるすべを持つ。

ちょっと大げさかもしれないが、大前の国立での2試合は、マラドーナをほうふつさせるプレーぶりだった。高校サッカー選手の憧れの舞台、国立競技場は、結局、大前元紀の独り舞台となった。

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