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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



6月の北朝鮮対日本の試合について記しておきたい。昨晩(5/14)、恒例のビバ!サッカー講座があり、この試合についての意見交換があった。それを受けて、改めて考えてみたからだ。

テレビなどマスメディアは、タイで開催される第三国での無観客試合が、日本にとって有利かどうかに焦点を当てている。これは、来年のワールドカップに日本が出場できるかどうかということが、ほとんどの日本のサッカーファンの関心事なのだから、当然のことだろう。アウェーが中立国に、人工芝が天然芝になった。日本にとって、平壌で試合をすることと比べて、不利が軽減されたことは確かだが、どちらにとって有利、不利というほどの問題ではないと思う。

では、今回の制裁内容が適当なのかどうか。こちらが本題。
制裁を加える根拠は、バーレーン戦、イラン戦での北朝鮮サッカー協会の試合の運営・管理(主管)が悪かったことである。だから、FIFA(国際サッカー連盟)は、次の北朝鮮サッカー協会の主管試合(対日本戦)を対象にして、北朝鮮サッカー協会に制裁を加えようとしている。この最大の目的は「みせしめ」だ。大切なサッカーの試合を安全に運営できないと、そのサッカー協会はこういうことになるぞ、と。

一番大きなダメージは、勝ち点を剥奪することで、次は、罰金か。そして、難しいのは、日本、バーレーン、イランの同じ組の3カ国に対して公平であること。さらに言うと、もう一つのA組の4カ国への配慮も必要。次の日本戦で、極端に日本に有利になるような制裁は、バーレーン、イランが納得しないだろう。まして、実際に、平壌で被害を受けた当事者なのは、彼らである。また、勝ち点を剥奪すると、B組が実質的に3カ国の争いになり、A組との不公平感も漂う。それに、北朝鮮には、今のところ、マイナスするだけの勝ち点もない。
たぶん、こんなことをいろいろ考えて、FIFAは、「罰金+第三国での無観客試合」としたのだろう。

ぼくは、制裁としては罰金のみで十分ではないかと思う。
第三国だろうが、無観客試合だろうが、どんなかたちで試合をおこなっても、北朝鮮以外の3カ国の間に公平な条件など考えられない。だから、予定通り、北朝鮮で試合を開催する。1次予選は、きちんとできたのだし。ただし、所定の罰金に加えて、その試合の入場料収入(実際の売り上げは少ないだろうが)をすべて没収する。
これならば、北朝鮮が損をし(=罰を受け)、他の3カ国への影響はほとんどない。そして、無観客試合とはちがって、入場料収入を召上げるFIFAは得をする。この程度が関の山ではないか。

そもそも、ぼくは、今回のような「みせしめ」的な制裁におおいに疑問を感じている。
もともとサッカーは、それほどに観客を熱狂させるスポーツであり、だからこそ、世界中が夢中になる。サッカー場は本来危険な場所なのだ。安全は大事だが、警官や警備員であふれたスタジアムは興ざめはなはだしい。
「みせしめ」として、無観客試合のようないびつなサッカーの試合を見せられたあげく、過剰な警備によってスタジアムが窮屈になるのは御免である。



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