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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



7月2日と3日は、準々決勝と準決勝の間の休息日だった。

2日は、ビバ!ハウスのあるフランクフルトへ行き、仲間たちと会い、食事をした。ビバ!ハウスとは、牛木素吉郎さんの取材のベースであり、ビバ!サッカー研究会の仲間が入れ替わり宿泊しているペンションである。マイン川のファン・フェスタやおいしいリンゴ酒のお店もほど近く、思った以上にいいところだった。川と緑とお酒で、心が安らぐ。

3日は、ケルンへ行き、世界遺産の大聖堂に上った。ドイツのことを何も調べずに乗り込んでいるので、とりあえず超メジャーな観光名所ということで大聖堂を選んだのだが、螺旋階段を上り始めてめまいを感じ、そして後悔した。最上階に行っても大して見るべきものはない。ケルンへ行ったなら、大聖堂の前のカフェでながめているのが一番いい。マロニエの木の下から、歴史の偉大さに触れれば十分だと思った。

その後デュッセルドルフへ移動し、カメラマンのOさんと会った。Oさんとは2003年にフランスで開催されたコンフェデで知り合い、ユーロ2004のポルトガル、そしてこの日、ドイツでと、海外でしか会わない。日本でゆっくりと話をしたいところだが、なかなか時間があわない。

今大会でのカメラマンの苦労話を聞きながら、日本でもないようなうまいカツ丼を食べた。日本人が多いデュッセルドルフならではの味か。その後、街に出た。

途中、マロニエの木陰にしつらえたビアガーデンに座ると、いきなりビールが2つテーブルにおかれ、コースターに2つ分の印をつけられた。座ることは、ビールを飲むことを意味するようだ。ウェイターは大きなトレイでビールを運びながら、グラスが空いた客に次をすすめる。まるで「わんこそば」だ。

ほど近いライン川のほとりでもカフェが並んでいた。ヨーロッパの人々は、ビールやコーヒー1杯だけで何時間もひとつところにいる。永遠の時間を楽しんでいるのか。時間の存在を忘れているのか。

ケルンの大聖堂に上り、デュッセルドルフの街を歩き続けた1日だった。ちょっと疲れた休息日だったが、ヨーロッパの街の雰囲気に癒された、心の休息日となった。

4日からは、短いW杯の旅の後半が始まる。


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