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ブログ版 シュプリッターエコー

大植英次の一考察

2006-11-05 01:53:19 | 音楽
昨日テレビで大植英次指揮
・大阪フィルハーモニー交響楽団の
「青少年のためのコンサート」を見た・聴いた。

演奏はまあこんなものかという感じ。
でも今までの大フィルでは
見られないことが多数。

まず音楽監督・大植英次自ら
「ジャリコン」(子ども向け演奏会の業界用語)を
指揮するというのが
極めて珍しく、かつ素晴らしい。
テレビが入るからという
邪推もしなくはないが、
将来の聴衆を育てようとするべく、
指揮は勿論、トークもして、
質問コーナーでは司会のアナウンサーを
客席に走らせてよさそうなものを
大植氏自らマイクを持って
子どもたちのところまで行く。
これが某国営放送局オケだと
若い副指揮者辺りに適当にやらせてお茶を濁す。
プログラムもハリーポッターをやったかと思えば、
ワーグナーのジークフリートの葬送行進曲もやる。
決して子どもに媚びたプログラミングではない。

大フィルの団員も珍しく?
ノリがよく笑顔で演奏していた。
特にコンマス氏の曲の最後で
弓を跳ね上げる時の
爽快感さえ感じさせる演奏は
事故はあったがとても楽しかった。

昔聞いたことがあるのだが、
アメリカのオケは自治体の補助などない
独立採算性に近く、
一部のメジャーオケ以外は経営が大変らしい。
だからお客さんを発掘するために
音楽監督自ら学校の体育館の演奏会も
指揮をするとか。
大植氏もアメリカのミネソタ管弦楽団の
音楽監督だったから
その経験が今の大フィルに
生かされているのだろう。

朝比奈隆没後、
大フィルはどうなるかと思っていた。
朝比奈時代はどちらかというと
「関西では一番」みたいな
お高く留まっていたが、
大植英次は完全に大フィルを
「大植英次のオーケストラ」
にしつつあると感じた。


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