美島奏城  豊饒の海へ

豊饒の海をめざす、教育と文芸と風流に関する備忘録

『覚えておきたい 極めつけの名句一〇〇〇』 

2009年01月19日 | 読書もどき

  これぞ俳句の道しるべとなる小冊子だ!入門にも復習にも最適かなと。

 

0001 外にも出よ触るるばかりに春の月    中村汀女
 
        とにでもよ ふるるばかりに はるのつき

0002 紺絣春月重く出でしかな          飯田龍太
          こんがすり しゅんげつおもく いでしかな

0003 つきぬけて天上の紺曼珠沙華       山口誓子
 
        つきぬけて てんじょうのこん まんじゅしゃげ

0004 青空の押し移りゐる紅葉かな       松藤夏山
          あおぞらの おしうつりいる もみじかな

0005 雁よりも高きところを空といふ       今瀬剛一
          かりよりも たかきところを そらという

0006 鶴の来るために大空あけて待つ     後藤比奈夫
         つるのくるために おおぞらをあけてまつ

0007 白鳥や空には空の深轍          高野ムツオ
         はくちょうや そらにはそらの ふかわだち