美島奏城  豊饒の海へ

豊饒の海をめざす、教育と文芸と風流に関する備忘録

日乘 韮の花

2007年08月30日 | 四季

平成19年8月30日(木)

 

  韮の花が咲いた丈夫な植物で一度根付けば,毎年収穫できる便利な野菜でもある。

  その花は白く星のような形をしている。英語名はガーリックチーブ。

  今日,今夏5度目の帰郷。 


日乘 黒揚羽の死

2007年08月27日 | 風流

平成19年8月27日(月)

 

  職員室に黒揚羽の死骸があった。窓から入り込み,外に出ることができなかった果ての姿である。

  憐れを感じ画像に遺した,緑ごしのやわらかい光を透かしたメモリアルとなった,と自己満足。

  夏の蝶の死骸をみると,詩人・伊東静雄を思い出す。


日乘 格差

2007年08月26日 | 風流

平成19年8月26日(日)

 

  世相を語るとき,よく引き合いに出されるのが,「格差」と「2極化」。格差は上下・高低のイメージで,2極化は左右の両端のイメージだろうか。

  学校現場でいえば,勉強する子しない子,仲間がたくさんいる子いない子。テストが大変よくできる子全くできない子。親にしても教育費を最優先にかける家庭と教育費はかけない,学校任せの家庭。

  しつけのできている子いない子,やたら心配性で神経質な子と自己中心的でまわりに無頓着,またはあえて無視する子・・・・・・。

  普通の概念が我国には無くなってきているのだ。

  その格差は教員にもあるというのが本書。教育評論家としては著名な方の本である。

  しかし,本書は教員の置かれている過酷な実態が教師を萎縮させ,その結果,穏便に済まそうとして教師力が落ちるのだと指摘。その過酷な実態とは次々と朝令暮改の如くの教育改革と自己中心的でモラルハザードな保護者の実態(モンスターペアレンツ)であるという。

 

 しかし,もちろん教師自身の資質の問題もありますなぁ。

 


日乘 心中

2007年08月25日 | 風流

平成19年8月25日(土)

  

  現職警察官がその拳銃で片思いの飲食店従業員の女性を射殺,という衝撃的な事件は最初,無理心中と報道された。

  しかし,心中の条件を知っていれば,この第1報が間違いであることは自明である。新聞記者の語彙力を疑う。識者からの指摘があったせいか,事件の内容がわかってきたせいか,その後は心中などという表現はなくなった。この事件はストーカー行為のはての殺人であろう。家宅侵入をとがめられたことは引き金を引くきっかけに過ぎまい。

  かの警察官の生活環境が変わらない限り,この事件は起きたのでは無いか?

  心中は日本人の心象に強く影響を与える死に方である。特に江戸期(特に元禄~享保 1688年~1736年)に心中ものが広く演じられたり,出版されたりした。心中が美化される傾向にあったため,幕府は「相対死禁止令(あいたいじにきんしれい)」を出したくらいだ。

  しかし,日本人の死後は問うまいという倫理観は心中を一層美化することになった。近代に入ってからも多くの著名な作家が心中していることを見れば,知性より感性が優先してしまう人間の性(さが)を表しているのではと,思う。

  トップ画像の『心中への招待状』という著作もその延長線上にある作品である。

  いずれにせよ,この事件は心中という類ではなく,あさましい人間のあさましい殺人事件である。

  ところで,新聞各紙の「飲食店従業員」というオブラート表現は止めた方がいい。ホステスと書いてくれれば事件の理解はもっと速かった。

  

  


日乘 記事

2007年08月24日 | 風流

平成19年8月24日(金)

 

  4階にて,新聞を読んでいた。気になった写真を撮ってしまった。

 トップ画像は,東南アジア歴訪の安倍首相がインドでパール判事の息子さんと会談したもの。

 

 もう一つは作家の安達千夏(あだちちか)42歳。知らなかった。現代作家の作品はほとんど読まないので,と言い訳。

ウィキペディア(Wikipedia)によれば以下のとおりになる。

来歴・人物

 1999年に『あなたがほしい je te veux』でデビュー。同作で第22回すばる文学賞を受賞、第120回芥川賞候補。

 清冽で的確な身体感覚を表現することのできる稀有な女流作家である。地の文に一人称・二人称のせりふを織り込む手法の巧さによって,主人公(つまり「私」)の鋭敏な五感をぞんぶんに描き出す。

 不適切な処遇=虐待を背景に成長した人物を描くことが多いが、既存の大衆小説にみられるような、過剰な自己愛惜がいっさいはぶかれ,実にシンプルに,崩壊した精神の持ち主の心情を描写する。

作品

  • 『あなたがほしい je te veux』(集英社1999年)
※第22回すばる文学賞受賞作、第120回芥川賞候補作品
  • 『LOVERS』(祥伝社 01年 アンソロジー作品) 
  • 『モルヒネ』(祥伝社 03年)
  • 『Friends』(祥伝社  03年 アンソロジー作品)
  • 『おはなしの日』(集英社 04年)

書評だけで判断すれば,『モルヒネ』は読み,だろう。


日乘 おしめり

2007年08月23日 | 風流

平成19年8月23日(木) 処暑 のち

 

 朝方まで雨!八月初めてといえるおしめりだった。あとは晴れ,暑さもぶり返しした。

 コシヒカリも穂をたれ,刈入れをまつのみ。

 今日は今夏4度目の帰省。


日乘 おかん

2007年08月22日 | 風流

平成19年8月22日(水)

 

  常に個性的な主人公の漫画を発表している,もりやまつる氏の『おかん』。『親父』の姉妹編(?)といえる作品であるが,泣ける。

  母親の正しい愛情が人間を育てるというテーマ,母親がかくあれば,変な子どもは育つまい。我国のかつての母のイメージを漫画化したともいえる。

『親やったら 自分の命に代えても 
         子供を真っ当に育てる
義務があるんやけどなァ』

その通り,ただ何が「真っ当」かわからない親が増えた,

「人様に後ろ指さされないこと」の中身はかなり少なくなった。

 


日乘 鈴虫

2007年08月21日 | 風流

平成19年8月21日(火)

 

  市役所に用があっていくとカウンターに鈴虫が飼われていた。容器越しなので見ずらい。

  知り合いの女性に聞くと課長さんが飼っているものだとのこと。涼である。