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 本は私の人生の友・・・

映画 『レスラー』

2009年06月17日 | 映画
人気レスラーだったランディ(ミッキー・ローク)は、スーパーでアルバイトをしながら、かろうじてプロレスを続けていたが、ある日長年のステロイド使用が祟り、心臓発作を起こしてしまう。
病院のベッドで目覚めたランディは、医者にリングに立つことを禁じられる。
妻とは離婚し、一人娘のステファニー(エヴァン・レイチェル・ウッド)とも疎遠で、ひとりになってしまったランディ。
せめて娘との関係だけは修復しようとするが、冷たくあしらわれ、さらに好意をもっていた顔なじみのストリッパー・キャシディ(マリサ・トメイ)にも振られてしまう・・・。
ミッキー・ローク扮する中年の悲哀漂うプロレスラーの人生の光と影を見事に描いた人間ドラマ。
第65回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞。

映画の初め、ミッキー・ロークの顔の正面をしばらく見せようとせず、数分後、画面に映し出された顔のアップは、分かっていたとは言えショックでした。
若かりし頃の美しさの面影は、どこにもありませんでした。
俳優魂とでも言うのでしょうか、崩れて年老いた顔をさらけ出し、レスラー役にふさわしい体格になり、哀しいほどの熱演で、素晴らしい映画でした。

エンドロールで流れる、ブルース・スプリングスティーンの歌は、生きることの辛さ、哀しさを感じさせます・・・


ひとつの芸しかできない子馬が楽しく自由に野原を駆けるのを見たことがあるかい?
あれは俺なのさ

片脚の犬が通りを歩いていくのを見たことがあるかい?
あれも俺なのさ

見たはずだよ 俺が旅して回るのを

見たはずだよ 一試合ごとに俺が何かを失うのを

見たはずだよ 俺が血を流して観客を喜ばせるのを

言ってくれ これ以上、何を望むんだ?

言ってくれ これ以上、何が欲しいんだ?

ボロと籾殻しか詰まってない案山子を見たことがあるかい?
あれは俺なのさ

風に向かって拳を振るう片腕の男を見たことがあるかい?
あれも俺なのさ

見たはずだよ 俺が旅して回るのを

見たはずだよ 一試合ごとに俺が何かを失うのを

見たはずだよ 俺が血を流して観客を喜ばせるのを

言ってくれ これ以上、何を望むんだ?

言ってくれ これ以上、何が欲しいんだ?

やすらぎを与えてくれるものから 俺は去ってしまう

帰るべき家を買う金はない

俺が唯一信じられるものは、俺の砕けた骨と、
この青痣だけだ

片脚のダンサーが心から楽しそうに踊るのを見たことがあるかい?
それは俺なんだ
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2 コメント

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生き方 (Poke)
2009-06-19 18:13:48
ソルトさん、こんばんは。
わぁ~『レスラー』観られたのですね!私も観たいと思っているのですが、最寄の映画館で上映されません。う~ん、残念。
私も学生時代、甘いマスクで魅力を放ったミッキー・ロークを映画館で観ました。何かと騒がせていたことも記憶に残っています。ですから、今年のアカデミー賞主演男優賞にノミネートを知ったとき、びっくりしてしまいました。そして、映画の情報を知るにつれ、観たいと思うようになりました。
ブルース・スプリングスティーンも懐かしいです。やはり学生時代大ヒット曲『ハングリー・ハート』を一緒に叫んだものです。遅れて上映してくれることに期待をかけて・・・。
*『ゴールデンスランバー』私は、あと10番目です。読み終わるまで、お預けにしますね。。
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Pokeさんへ (ソルト)
2009-06-20 09:18:14
『レスラー』、良かったですよ~。
プロレスの試合場面は体を酷使しているのが痛々しくて目を背けたくなりましたが、悪役レスラーがホントはいい人で、試合中、心臓の悪いミッキー・ロークを観客に分からないように気遣ってくれるシーンが描かれてました。
落ちぶれたレスラー役が、ミッキー・ロークの生き様と重なり、なんとも見ていて哀しくなりましたが、今のミッキー・ロークが演じるのにはピッタリの役で、見事に老いさらばえたレスラーを演じていましたよ。

昨日は『ハゲタカ』を見てきましたが、TVドラマも良かったですが、映画の方もとても良かったですよ。
中国残留孤児が実は・・・という筋書きも面白く、私の中では主演は玉山鉄二でしたよ。

『ゴールデンスランバー』、根強い人気ですねぇ。
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