読書感想とロードバイク日記2

週末のお天気の日にロードで走っています。晴耕雨読ならぬ、晴れたらバイク、雨の日は読書の日々

「偽りの春」

2019年10月11日 | 日記
 降田 天(KADOKAWA)

 https://kadobun.jp/media/001/201908/bc7faab24123918add8e92b247a803be.jpg

 ちょっと驚く展開が待っている。やっぱり他人に話しては面白さが伝わらない。けど、まあ、読んでのお楽しみということですね。
 ミステリのつくり方としては、相当工夫したなぁ。

 内容紹介は
『あなたは5回、必ずだまされる。第71回日本推理作家協会賞受賞作!

高齢者詐欺グループのリーダー、光代は、手足として使っていたはずの仲間に金を持ち逃げされてしまう。さらに、彼女の過去の犯罪をネタに、一千万円を要求する脅迫状が届く。追い詰められた彼女は、普段は考えない強引な方法で事態の打開を図るが、成功したと思われたそのとき、1人の警察官が彼女に声を掛けてくる――。「落としの狩野」と言われた刑事を主人公に、人々の一筋縄ではいかない情念を描く、日本推理作家協会賞受賞作「偽りの春」収録、心を震わすミステリ短編集。

卓越した筆力で選考委員をうならせた、第71回日本推理作家協会賞(短編部門)受賞作!

大沢在昌
悪い奴の、そのまた上をいく悪い奴がいて、それを見抜く目をもつ警察官が登場する。だまされる快感を味わった。

逢坂剛
読む者の予想を次つぎにくつがえし、意表をつく展開に落とし込む筆力は、並のものではない。
(第71回日本推理作家協会賞 選評より)


著者について

●降田 天:(ふるた・てん)プロット担当の萩野瑛(はぎの・えい)と執筆担当の鮎川颯(あゆかわ・そう)による作家ユニット。二人は早稲田大学第一文学部の同級生。少女小説作家として活躍後、「女王はかえらない」で第13回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、同名義でのデビューを果たす。他の著書に『匿名交叉』(文庫化に際して『彼女は戻らない』に改題)がある。「小説 野性時代」掲載の「偽りの春」で第71回推理作家協会賞(短編部門)を受賞。     』

インタビューがあったので一部を引用https://kadobun.jp/feature/interview/172.html
『――『偽りの春 神倉かみくら駅前交番 狩野かのう雷太らいたの推理』が刊行となります。全編にわたって「騙し」が張り巡らされているため、詳しい内容を紹介しづらいんですが、まずは、書きはじめたきっかけを教えてください。
萩野: 最初はぜんぜん別の依頼をいただいていたんです。でも、それがうまくいかなくて。次に警察ものはどうかという話となって一作書いてみたんですけど、それもうまくいかなくてボツにして……。最後に、犯人側から描いてみるのはどうか、と考えて形式が決まりました。
――たしかに各話、犯人側の視点で展開しますね。題名から、交番のおまわりさんが語り手なのかな、と思っていました。
萩野:いずれは乗り越えなくてはならないんですけど、探偵側から書くのは苦手で、こういった形式になりました。それと、池波正太郎さんの「鬼平犯科帳」が好きなんですが、盗賊視点で話が進み、最終的には鬼平が捕まえるという話なんです。それもひとつの下敷きになったのかもしれません。
――「神倉駅前交番」が舞台となっていますが、この神倉にモデルはありますか?
萩野:鎌倉がモデルです。でも、しっかり鎌倉にしちゃうと、現実にあわせなきゃいけない。
鮎川:じっさいに鎌倉へ行ってみたら、交番が東口と西口の両方にあって。
萩野:派出所、駐在所とかもあって、どこまでが事件の担当範囲なのかなど、難しい部分が出てくるんです。
鮎川:最初は交番の話だから、もっとほのぼのとした感じになるんじゃないかと話していたんですけど、全然ほのぼのしなかった(笑)。
警察のことを知らずに書きはじめた
――第一話の「鎖された赤」では、青年による少女監禁の犯罪が語られていきます。その過程がじつにリアルです。
萩野:自分の母方の実家に土蔵があって、その仕組みを観察していたことがあるんです。それと、横溝正史原作の「八つ墓村」だったと思うのですが、映画を小さい頃に見て、座敷牢のようなところに閉じ込められているのがめちゃくちゃ怖かった。和風のものプラス、監禁事件で、しかもあるトラブルが加わると、もっと怖いことになるんじゃないかと考えて、プロットからつくりました。
――完成させる上でいちばん苦労したのはどういうところですか?
萩野:警察のことをぜんぜん知らずにつくりはじめてしまったので、警察の仕事を勉強するのがけっこうたいへんでした。
・・・・』

・・・という訳で、これは読むしかない。お勧めです。
・・・表紙の「神倉駅前交番 狩野雷太の推理」を読んでなかったので、この展開には驚いたのです。最初は犯人に感情移入したのでかなりびっくりでした。

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