太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

キャリヲキ ~日本人の意地~

2021-04-16 08:03:34 | 英語とか日本語の話
過去に記事にした記憶があるが、再度、書く。

本土から来たお客様が、
カゥラリを3年習っているよ」
と言った。
私「まあ、カラテを3年も?」

お客様「いや、カゥラリを」

私「ええ、だからカラテでしょう

お客様「?」



「昨日久々にキャリヲキに行ったのよ」
と同僚。
「へー、どこのカラオケ?」
と私。
同僚「キャリヲキだよ?」

私「カラオケでしょ」

同僚「なにそれ?」

私「キャリヲキなんて言葉はないの!カラオケが正しい日本語!」

同僚「へえ!!!そうなの?」

私「そうなの」



自分でも大人気ないとは思う。
しかし、英語ナイズされた日本語を聞き流すことはできても、それを自ら使うのは憚られる。
カゥラリだ、キャリヲキだ、なんていう言葉を使ったら、なんだか負けた気がする。
これは日本人の意地であり、
常々、私のナンチャッテ発音にポカン顔をされることへの姑息なリベンジでもあるのである。







今、悩ましいこと

2021-04-14 08:22:04 | 日記
悩ましいのはコロナウィルスのワクチンだ。
義両親は1月に早々と済ませ、シアトルにいる義兄たちも済ませた。
受ける資格がない間は気が楽だったが、オアフ島は今週から50歳以上が申し込めることになった。
私の職場はほとんどが旅行者相手で、ツアーバスで来た人でお店が一杯になる。
マスクをして、レジにアクリル板はあるが、ソーシャルディスタンスは取れない。

会社を通して申し込んだ同僚たちは、続々と受けている。
なにがどうして、こんなに悩ましいのかといえば、得体が知れないからだ。
このコロナウィルスは、どうも自然発生したものじゃないような曖昧さがあって、
私は陰謀論者ではけしてないが、なんだかすっきりしないのだ。
でも接種したら旅行に行けるかもしれないし、
接種した人たちはみんな普通に生活しているし、大丈夫なのかもしれないという気持ちも、ある。



義両親は私たちを案じて、接種するように勧めてくる。
夫の場合、アスピリンで命を落とすほどのアレルギーがあるので、
受ける前に医者に相談したほうがいいと思う。
「わかった、明日医者に電話してみるよ」
夫はそう言って、そのまま。

そして昨日シュートメが、私さえよかったら、私の予約を取ってくれると言う。
もし予約が取れれば、受けていいということなのだろうし、頼んだ。
夕方、帰宅すると夫が言った。
「ワクチンで6人が亡くなったよ、僕は受けないよ」
義両親側に顔を出すと、キャンセル待ちに名前を入れてきた、と言う。
たぶん、順番がまわってくることはないと思う。

これは、受けないってことなんだろう。
先のことはわからないけど、今は受けない。
迷って答えが出ないときは、NOのほうに気持ちが傾いているから。
さっさと接種して、あーこれで安心と喜んでいる人たちが羨ましくさえもあるが、
そういう気持ちにどうしてもなれないのは、それだけの理由が私の中にあるからなのだろう。








爆弾は突然投げられる

2021-04-13 08:01:43 | 日記
それは昨日の午前中だった。
休憩時に携帯電話を見たら、未登録の番号の着信があった。
留守電が入っていたので聞いてみたら・・・

「ハーイ、〇〇(夫の名前)!Aのタバサよ。お探しの職種がいくつかあったので、折り返してもらえるかしら?」

Aというのは、仕事を斡旋・派遣する会社で、今の仕事もそこで決めた。

一気に気分は急降下。
すごくハッピーに働いてるとは思わないけど、このまま続きそうでよかったなと思っていた矢先のことだった。
恐れていたことが起こった。
いや、恐れていたから、起こったのか。
どちらにしろ、もう起きているのだからどうでもいい。

ボイスメールの件を夫にテキストして、
午後の休憩時に夫と電話で話をしたが、何もそのことには触れなかったので
私も聞かなかった。聞くのがこわかった。


帰宅すると、
「今度はこの近所で、収入はほぼ同じだよ」
と言う。
辞めることにした、も、辞めようと思う、もすっ飛ばして。
仕事を辞めることを私がとても嫌うから、言えなかったのかもしれない。
それを聞いた私が言ったのは、
「ふーん、そうなの」
なぜ私の番号に留守電が入っていたのかは、大きな謎。
だけど、それのおかげで覚悟ができたとはいえる。
『収入がほぼ同じ』という点で、それならまあいいか、と思えたのも確か。


私がどんなに嫌がっても、泣き落としも通用しないのだから
導火線が1センチぐらいしかない爆弾を、ホイっと投げられたようなもので
怖がったりしている暇がないのはよかったかも。
「つべこべ悩む時間がなかったのは、ラッキーかもよ」
友人は、そう言った。
「だけど、大黒柱の転職がショックじゃないわけがない」
同じ友人は、そうも言った。
そうさ、私が夫の転職のたびにビクビクするのは当然のことだ、うん。


職を転々とする、という言葉が日本にはある。
ひとつの仕事を長く続けることに価値がある、と私も教え込まれて生きてきた。
そうやって代々刷り込まれ続けてきたものは、骨の髄までしみ込んでいて、それから自由になるのは一筋縄ではいかない。

繰り返される転職に、私もそれなりには慣れてきたと思うけど、
それは達観というよりは、諦めに近い。
夫だって、一つの仕事を長く続けたいと思って生きているはずで、
けれど、「自分の心地よさ」と「世間の評価」を秤にかけたとき、
「自分の心地よさ」を取るから、こうなる。
それをしないでいると、いつかみたいに「ウツ」になる。


投げられた導火線1センチの爆弾は、ボッコ!と情けないような音で破裂して足元に散らばった。





ボール遊びは向いていない

2021-04-11 08:26:40 | 日記
夫と一緒に過ごせる休日は、週に1日だけだ。
だからその日は6時ごろに起きて、サーマスにたっぷりアイスコーヒーを詰めて
目一杯楽しむ。

朝7時にビーチで泳ぐ。
水に入ると、ヒヤ!とする。
朝早いのもあるけど、2月だとこれが ヒヤッッ!!!! という冷たさで
7月になると、まったくヒヤっとしなくなり、8月はむしろ温かい。

ヒヤ!として、最初に2分は肌寒い。
それを過ぎれば、水が心地よくなる。

雨が続いたので庭がもりもり元気

こんなものを買ってきた。


モンキーポッドの木陰で遊ぶ。
マジックテープでボールがくっつくようになっているのは簡単だが、
ラケットのほうは、てんでダメ。

夫に出会ったばかりの頃、前の恋人と行くつもりで予約してあった市のテニスコートに一緒に行ったことがある。
8月終わりの、異常に暑い日だった。
前の恋人とテニスができるように、私はテニススクールにまで通ったのに、
いっこうに上手になれなかった。
夫も、ボールを使う競技は水球だけで、他のものは苦手。
「それに、いつもゴールキーパーさせられるしさ」
身長が高い人にはそういう悩みもあるのだね。

木陰で続かないラリーを1時間ほどして、いい汗をかいた。
「そのうちいくらか上手になるさ」
楽しければそれでよし。







いったん投げた言葉

2021-04-10 14:47:59 | 日記
シュートメのへそ曲げシリーズ、まだ続く。


昨日、帰宅すると夫が不機嫌に
「今夜はアッチで食べることになった」
と言う。
5時までのボランティア活動が、案外早くに終わったので義両親は既に在宅。
一緒に食べましょうよ、と言われて、夫も無碍には断れなかったのだと思う。
食卓では、シュートメが何事もなかったように振る舞う。
が、夫の態度は素っ気なく、私はチクチクとしながら笑顔で通した。

「週末、外食しましょうよ」と言うシュートメに、
「新規感染者が減らないし、しばらく外食はしたくないんだ」と夫はやんわりと断った。
申し出を断ったのは、たぶん初めてじゃないかと思う。


勢いにまかせていったん投げた言葉は、消えてなくなることはない。
家族であってもそれは同じで、むしろ他人よりも遠慮がないぶん、亀裂は深かったりする。

イースターの前日までは、夫は朝、義両親宅に顔を出して、
早起きの義父と二言三言しゃべってから仕事に出かけていたが、今はそれもしなくなった。
なるべく顔を合わせないで済むように洗濯の回数も減らし、
私だけが、何も考えてないような顔をして、間にはさまっている。

「あの人たちと、そういつまでも一緒に食事ができる状態でいられるわけじゃないんだからね」

と私が言うと、

「わかってるよ、それは」

と言う。
80を過ぎたあたりから、がたがたと老いていった私の両親を、夫も見ているのだ。
夫は夫で、義両親を喜ばせようと、良い息子であろうと努力していたのだと思う。
ぷりぷり怒って、一切料理はしないと言い切って、謝りに来させて、
2日後には何もなかったように、一緒に食べましょう、なんて、
傷つけるつもりなんかまったくなかったのに、いきなり怒られて謝らされたコッチの気持ちはどうなんだ、というところか。

ふと、両親と同居してきた姉のことを思う。
よくケンカをして、互いに愚痴をこぼしていたけれど、親子は近くにいすぎるとそうなりがちなのかもしれない。
もちろん、それぞれの性格にもよるんだけど。


そんなわけで今日も別々にお食事。