太平洋のまんなかで

南の島ハワイの、のほほんな日々

虹の橋の下をくぐる

2018-12-08 07:33:34 | 日記
ハワイでは、ほんとうによく虹が出る。

特に私が住む地域は雨が多いので、虹など珍しくもなんともなくなってしまった。

それでも、のびのびと空に架かった虹を見れば、

なんだか得をしたような気持ちになる。

ましてやそれが間近にあって、虹の下をくぐることができたらドキドキする。

車を運転していると、虹の写真を撮りたくても撮れないのだけれど

今日は夫が運転手なので虹が撮れた。



進行方向に虹発見





近づいてきた



もうすぐ虹の真下



あと少し



ここが虹の橋の下。


虹の下では、虹は見えない。

そりゃそうだ。

灯台の中にいれば灯台の明かりが見えないのと同じだもの。

通り過ぎて、振り向くと虹はある。

虹はシアワセみたいなもんか。

シアワセの中にいるとシアワセは見えないもんだ。

シアワセの中にいながら、べつのシアワセをさがしている。

通り過ぎたあとで、あれはシアワセだったと気づく。











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意訳しすぎ

2018-12-07 07:58:51 | 英語とか日本語の話
来月、夫と一緒に日本に行くことにした。

いつも出発のひと月ほど前から、夫は日本語の勉強に燃える。

昨日も、長年愛用している、ポケットサイズの日本語会話のテキストを音読していたのだが



「おっかげさまで なんとかやっております」


と言うのを聞いて、おもわず吹き出した。

「ちょっと、どういう場面よ?」

「オゲンキデスカ、って言うところ」

「それって英語訳で何て書いてあるの?」

「Thanks to you」



Thanks to you っていうのは、「あなたのおかげで」という意味で

おかげさまで、を何とか英語にしようとして、そうなったのだろうけど、

おかげさま、という意味の単語も考え方もない英語圏では、オゲンキデスカ、のあとにそうは言わない。


そのテキストブックは、夫が15年以上昔に古本屋で買ったという、

そうとう古いものだ。

おかげさまでなんとかやっております

なんて日本人でも若い人はもう言わないのだから、夫みたいなガイジンが言ったら、なんだかとっても笑える。









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クリスマスプレゼントのおまけ

2018-12-06 07:56:41 | 日記
ここのところ、週末はクリスマスプレゼントを買うことに追われている。

夏ごろから始めている人もけっこういるから、今頃奔走するのは遅きに過ぎるのだが、

買い物じたいが好きではなく、何でも持っている人たち相手なので

なにを選べばいいのかわからなくて、つい延ばし延ばしになってしまうのだ。


一足早く、シアトルに住む叔父叔母からクリスマスプレゼントが届いた。

プレゼントはクリスマスツリーの根元に置いておき、

クリスマスの朝まで開けないのが普通なのだけれど、

プレゼントのオマケだけは先に開けて、というメッセージ付きだったのであけてみた。




ワインボトルのコルク(コルクの形をしたプラスティック)に柔らかいワイヤーがのびていて

そこにたくさんの小さいライトがついている。

ボトルの中にワイヤーを垂らして、スイッチをいれるとこんなふうになる。

なんてことはない仕掛けだけれど、こういうのいいなァーー。

クリスマスまで毎夜これを灯して楽しもう。





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やりたくないことがあるシ・ア・ワ・セ

2018-12-03 09:40:54 | 日記
朝、携帯電話のアラームが鳴る。

窓の外はまだ星がまたたいている。

このまま寝ていられたら、こんな幸せなことはない、と思いながら起きる。

じゅうぶん睡眠は足りているのに、気持ちだけが眠い。

休日の朝、ふと目が覚めて、そのまままた好きなだけ眠れる至福。

仕事が嫌なわけじゃないけれど、仕事に行きたくないなあと思う。

休日だって、どんなに寝ようとしても7時半ぐらいまでには起きてしまうし、

遊びに行くための早起きは全然苦にならないのに、仕事の日の早起きは嫌だなと思う。



(あー、なーんにもしなくてよくて、どこにも行かなくてよくなればいいのに)



窓の外の星空を眺めながら、そう思ったあとで

私は気づいてしまった。



やりたくないことは、できること。




起きるのが嫌なのは、起き上がって動くことができるから。

仕事に行くのが嫌なのは、仕事があって、元気に働くことができるから。

絵を売るための準備がめんどくさいのは、絵を売ることができるから。

出費がかさんでブルーになるのは、払えるお金があるから。

日本にいる親のことが気がかりになるのは、親がいてくれるから。




そうなのだ。

やりたくないのは、できるから。

できないことは、やりたくてもできないのだから。




夫が寝しなに、背中をマッサージして、と言った。

私は、んもう!めんどくさいなあと思いつつ、適当にマッサージしていたら、

ついさっきまですごく元気だった夫の具合が悪くなってしまったことがあった。

私の「めんどくさい!」というイヤイヤのエネルギーが、そのまま夫の背中に伝染したのだ。

そのことがあってから、イヤイヤの気持ちがあったらリセットするようになった。

それだって、マッサージできるのはそこに夫がいるからで、

夫がいなかったら、マッサージしたくてもする人がいない。




行かなくてはならないところも、しなくてはならないことも何もないことに憧れるのは

私にそういう体験がないからかもしれない。

学生の頃は学校があり、宿題や課題があり、社会人になれば仕事があって、

子供を持たなかった私は、1日のブランクもなく27年間フルタイムで働いた。

ハワイに移住して最初の1年は何もしなかったけれど、夫のウツ、シュートメとのバトルで

神経をすり減らした1年だったから、「何もしなくていい幸せ」など感じる余裕はなかった。



昨年心臓を手術して、今度は腰の手術をすることになったマイク。

1年半前には、ハングライダーもやり、トレッキングもし、自転車にも乗っていたのに

今は歩くことすらおぼつかない。

やりたいことが何でもできることが当たり前だったあの頃の自分は、なんと傲慢だったことか。

だから、私の夫がスケートボードで転んで肘にヒビが入ったというのを聞いて

「できるうちに何でもやっておくことだよ」

と言ったのだ。

朝、やっぱり起きたくないと思う。

けれど、起きることができる幸せも、今の私は気づいている。











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物価高、でも。

2018-12-02 10:04:25 | 日記
アメリカ本土からみえたお客さまが、

「ところで、ハワイじゃミルクはいくらするの?」

と聞いた。

ミネラルウォーターやジュースが入っているガラスばりの冷蔵庫の下段に、

コーヒーに使うミルクを入れてあるのを指さしている。

ミルクは1ガロン売りがポピュラーだ。

1ガロンはおよそ3.8リットル。



これが1ガロンのミルク。

日本で売っている紙パックの大きさもあるが、この1ガロンを買う人が多い。

アメリカ人は牛のようにミルクを飲むのか・・・・

夫は白人なのに、ミルクを飲むとおなかがゴロゴロするアジア人みたいな体質で、私はもともと

あまりミルクが得意じゃない。

ミルクを加工したもの、アイスクリームとかバターなどは大好物なのに、ミルクそのものはちょっと苦手。

だから、もっぱら我が家のミルクはアーモンドミルクやマカダミアナッツミルクといったナッツ系。




さて、その1ガロンのミルクの値段を聞かれた私だが、普段ミルクを買わないのでわからない。

近くにいた同僚が言うには

「8ドルから9ドルってところかなあ」

それを聞いたお客様。

「HOLY SHIT!(マジでーーーっ)」(あまりきれいな言葉じゃないよ)

目を丸くして、おおげさに叫んだ。

「本土じゃ2ドル以下よ。どうりでどこで何を食べても買っても高いはずだわ。

ハワイで暮らすのは大抵なことじゃないわね」



外から来た人たちは、口を揃えて同じことを言う。

私も、住み始めた頃は、なんでもかんでも高いので気分が滅入ったが

この中で暮らしていると、ほかと比べてもしかたがないし、こういうものかと諦めの境地になる。

そのかわり日本に行った時、なんでもかんでも安いので気分が高揚する。

12ロール入りのトイレットペーパーが、400円以内で売っているのを見て思わず写真に撮った。

買って帰りたい衝動に駆られる。

ハワイじゃ同じものが1800円はするのだ。

普通の店でそうなのだから、私と夫が百円ショップで1万円買いをしてしまうのも無理はなかろう。




1ヶ月ほど旅行に出かけていた義父が、おととい帰ってきた。

義父はツーリングクラブの仲間達と、カリフォルニアを半月かけてツーリングしてまわり、

最後の10日間を義兄や叔母のいるシアトルで過ごしてきた。

私は夏のシアトルしか知らないのだが、冬のシアトルは気分が滅入るらしい。

冬のシアトル= WET&COLD&DARK

ひたすら寒くて湿っていて暗い。

夜9時すぎても昼間のように明るい夏に比べ、冬は4時には暗くなり、

毎日のように雨が降り、指がかじかむほどに寒い。

義父はシアトルですっかり風邪をひきこんで帰ってきた。

家に戻るなり、開口1番。

「ああー。やっぱりいいなあーーーーーー!」

1年中、Tシャツ短パン素足でいられる気候と、明るい空、鳥のさえずり。

一晩でみるみる風邪がよくなり、翌日にはジムに出かけた。

私にも、わかる。

飛行機が空港に降りて、空港内を歩いている間はあまりよくわからないが、

外の空気に触れたとたん、足の裏がほんの少し地面から浮くような、体が軽くなったような感じがする。

対照的なのは日本で、空港内から足の裏が地面に吸い付くような感じになる。



夫の両親は二人とも、インディアナ州という、シカゴの下のほうの内陸部の出身である。

夏は日本の夏のように蒸し暑く、冬はすっぽりと大雪におおわれる。

歯科医になったばかりの義父が、研修でハワイに派遣され、研修期間ののち

いったんインディアナ州に戻ったものの、ハワイが忘れられなくて数ヶ月で再びハワイにきて50年。

余談だが、そのキッカケが、義父が帰宅途中に車が大雪に埋まってしまい、

遭難しそうになりながら歩いて家に帰ってきたときに決心したらしい。

「That's it! Sick of it,that's it!(ああもうこりごり!)」

とつぶやきながら雪の中を歩く若い義父を想像して、すこし笑える。



ハワイで生まれ育った夫は、外に出たいと思い、

外から来た人は、ここがいいという。

外から来た私も、日本のほうが断然、絶対、どうしたって暮らしやすいのは確かなのにやっぱりここがいいと思う。
















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