私はつきあっていて比較的楽なタイプの人間だと思っていた。
何かにつけ、これはこうでなくては気に入らない、という人はいるもので、
そういう人に比べたら、私はあまりこだわりがないほうで、
何でも、一緒にいる人に合わせられる。
好みが細かい人のことを ピッキー という。
あの人はピッキーだから、などと使う。
身近なところでは、夫の母がピッキー。
彼女を見ていると、まわりも大変だし、本人だって、
あれは嫌、これもダメ、というものが多くて疲れるだろうなーと思う。
私はといえば、
友人と行動していても、夫といても、
どこへ行って何がしたい、なにが食べたい、どうしたい、という強い希望が私にはない。
あの店は好きだけど、この店はあまり好きじゃないというのもない。
人と対立するのは苦手だし、対立覚悟で押し通すほどのたいした意見もないのだ。
こんな楽珍な私といて、夫は果報者だと恩着せがましく思っていたところ、
意外な事実が発覚した。
休日の朝、パンケーキを焼いた。
夫の分と2枚焼いて、プレートに移したところに、夫がメイプルシロップをかけた。
自分でかけるから、と言う間もなく、私の分にもシロップをかけてくれたのだが、
思ったとおりシャバシャバになった。
パンケーキが大量のシロップを吸って、フォークで押して
中から一旦吸ったシロップがジュワーと流れ出てきたとき、瞬間的に怒りが噴出した。
「!!!(怒)」
パンケーキには、シロップは控えめにかけるのが好きなのだ。
シロップがかかったところが38%ぐらい、かかっていないところが62%ぐらいがちょうどいいのだ。
食べながら、もうちょっとシロップかけようかな♪と思ったときに、
ちょいと足すのがいいのだ。
こんなにシャバシャバでずっしりとシロップを吸ったパンケーキなんて、
芯のあるご飯や、湿気たおせんべい、カビくさいブルーベリーぐらいガッカリじゃないかっ!!!
と怒りはおさまらなかったが、
善意でやってくれた夫に対して、それをそのまま表現しない分別はまだあった。
「シロップ、多すぎるよね・・・」
フォークでパンケーキが吸ったシロップを押し出しながら言った。
「新しいシロップが高いやつで、前のよりもさらさらなんだよね。
もう1枚焼いたらどう?」
結局、シャバシャバパンケーキをつつきながら、なんとか食べた。
食べながら、自分の持つこだわりに、意外な気がしていた。
何を食べるか、にはこだわりがなくても、
何をどう食べるか、にはこだわりがあったりする。
カレーライスは、ご飯とカレーの消費量のバランスが命だ。
私は、ご飯よりもカレーを気持ち早めのペースで食べるぐらいがいい。
最後の一口は、カレーだけよりも、カレーの付いたご飯がいいし、
家だったら、少し残ったご飯に、また新たにカレーを足してもいい。
1度だけどこかの食堂で、カレーとご飯を先に混ぜてから食べる人をみたことがあって、
非常に嫌悪感を感じたのも思い出した。
カツ丼や天丼なども、上のおかずと下のご飯のバランスを見ながら食べる。
セットで付いてくる漬物をいつ食べるかも重要である。
ちなみに漬物は、ラストスパートに入りかける頃に食べるのがいい。
とんかつやチキンカツは、ソースがかかってきたらアウトである。
ソースがかかっているところが20%、かかっていないところが80%がベストであって、
衣のサクサク感を楽しめなかったら、揚げ物の価値がない。
そういえば数ヶ月前、鍋焼きうどんを食べたときに、
大事にとっておいた卵を夫に食べられて、瞬間、殺意まで感じたことも記憶に新しい。
考えだしたら、けっこうある。
みんな食べものばかり・・・
これでめでたくピッキー仲間入り、というところか。
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何かにつけ、これはこうでなくては気に入らない、という人はいるもので、
そういう人に比べたら、私はあまりこだわりがないほうで、
何でも、一緒にいる人に合わせられる。
好みが細かい人のことを ピッキー という。
あの人はピッキーだから、などと使う。
身近なところでは、夫の母がピッキー。
彼女を見ていると、まわりも大変だし、本人だって、
あれは嫌、これもダメ、というものが多くて疲れるだろうなーと思う。
私はといえば、
友人と行動していても、夫といても、
どこへ行って何がしたい、なにが食べたい、どうしたい、という強い希望が私にはない。
あの店は好きだけど、この店はあまり好きじゃないというのもない。
人と対立するのは苦手だし、対立覚悟で押し通すほどのたいした意見もないのだ。
こんな楽珍な私といて、夫は果報者だと恩着せがましく思っていたところ、
意外な事実が発覚した。
休日の朝、パンケーキを焼いた。
夫の分と2枚焼いて、プレートに移したところに、夫がメイプルシロップをかけた。
自分でかけるから、と言う間もなく、私の分にもシロップをかけてくれたのだが、
思ったとおりシャバシャバになった。
パンケーキが大量のシロップを吸って、フォークで押して
中から一旦吸ったシロップがジュワーと流れ出てきたとき、瞬間的に怒りが噴出した。
「!!!(怒)」
パンケーキには、シロップは控えめにかけるのが好きなのだ。
シロップがかかったところが38%ぐらい、かかっていないところが62%ぐらいがちょうどいいのだ。
食べながら、もうちょっとシロップかけようかな♪と思ったときに、
ちょいと足すのがいいのだ。
こんなにシャバシャバでずっしりとシロップを吸ったパンケーキなんて、
芯のあるご飯や、湿気たおせんべい、カビくさいブルーベリーぐらいガッカリじゃないかっ!!!
と怒りはおさまらなかったが、
善意でやってくれた夫に対して、それをそのまま表現しない分別はまだあった。
「シロップ、多すぎるよね・・・」
フォークでパンケーキが吸ったシロップを押し出しながら言った。
「新しいシロップが高いやつで、前のよりもさらさらなんだよね。
もう1枚焼いたらどう?」
結局、シャバシャバパンケーキをつつきながら、なんとか食べた。
食べながら、自分の持つこだわりに、意外な気がしていた。
何を食べるか、にはこだわりがなくても、
何をどう食べるか、にはこだわりがあったりする。
カレーライスは、ご飯とカレーの消費量のバランスが命だ。
私は、ご飯よりもカレーを気持ち早めのペースで食べるぐらいがいい。
最後の一口は、カレーだけよりも、カレーの付いたご飯がいいし、
家だったら、少し残ったご飯に、また新たにカレーを足してもいい。
1度だけどこかの食堂で、カレーとご飯を先に混ぜてから食べる人をみたことがあって、
非常に嫌悪感を感じたのも思い出した。
カツ丼や天丼なども、上のおかずと下のご飯のバランスを見ながら食べる。
セットで付いてくる漬物をいつ食べるかも重要である。
ちなみに漬物は、ラストスパートに入りかける頃に食べるのがいい。
とんかつやチキンカツは、ソースがかかってきたらアウトである。
ソースがかかっているところが20%、かかっていないところが80%がベストであって、
衣のサクサク感を楽しめなかったら、揚げ物の価値がない。
そういえば数ヶ月前、鍋焼きうどんを食べたときに、
大事にとっておいた卵を夫に食べられて、瞬間、殺意まで感じたことも記憶に新しい。
考えだしたら、けっこうある。
みんな食べものばかり・・・
これでめでたくピッキー仲間入り、というところか。
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