Carmel Reilly著『True Tales of Angel Encounters』より
チエコ 東京 日本
大学生の私は、ボーイフレンドに振られて落ち込んでいた。私はカフェバーに行き、本を読みながらビールを飲んでいた。誰かが店に入って来て、人を探しているような様子だ。そして私と目が合うと、彼女はここに座ってもいいか、と聞いた。まるで、私を探していたかのように。
私は、どうぞ、と言った。なんとなく、どこかで会ったことがあるような気がするが思い出せない。
彼女といると、とても心地がよかった。私たちはいろんなことについておしゃべりに夢中になり、気が付くとずいぶん遅い時間になってしまった。
私が、もうそろそろ帰ると言うと、彼女が、どのルートで帰るのかと聞く。
私が住んでいる地域は、小さな路地がたくさん入り組んでいるところで、その路地をいくつも曲がっていくのがアパートまでの近道だ。
私がそう答えると、彼女は心配そうな顔になり、地下鉄の駅まで一緒に行くから、地下鉄に乗って帰ったほうがいいと言う。
地下鉄の駅からアパートまでは、街灯も店もたくさんある明るい道だから安全だというのだ。
地下鉄の駅前で、私たちは電話番号を交換し、私は帰宅した。
翌日、昨夜、私が近道にしていた路地で若い女性が襲われてケガをしたというニュースをみた。
それはちょうど私が帰ろうとしていた時間帯で、もしも私がそこにいたら、私が被害者になっていたかもしれなかった。
私はすぐに、昨夜交換した彼女の電話番号にかけてみたが、「現在使われておりません」というアナウンスが聞こえるだけだった。
私は電話会社に、彼女の名前を問い合わせてみたが、彼らの記録にはなかった。
その後、彼女に会うことはない。
彼女は私を守るために送られた天使だったと確信している。
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