ラコステで4泊したあと、アビニョン駅からTGBで2時間かけてパリに行った。
義両親とはアビニョン駅でお別れ。
彼らはあと3週間余りフランスに滞在するのだ。
TGBは新幹線と成田エクスプレスを足して割ったような電車だった。
車両の前後と客席の真ん中にも、スーツケースを置くスペースがある。
ただ、買ったチケットには「2階席の3号車の84」と書かれているのに、車両が2両しかなくて困惑。
ホームに「3号車」がどのあたりに止まるかという図があって、その場所に並んでいたのだけれど、止まった車両には「1」と書いてあり、あわてて3号車に向かって歩き出したら、「2」で終わりなのだ。
停車時間が短いのでとりあえず乗って、狭い通路をスーツケースを引きながら歩いてゆくと、食堂車になってしまった。
この辺でストレスゆえに、夫婦間に嫌な空気が流れ始める。
「ぼくはスーツケースがあるから、席を探してきてくれない?」
イラついた雰囲気の夫に、(; ・`д・´)💢ムカッと来る。
「なにさ、威張っちゃって!」
こんなときは日本語でそう言って留飲を下げ、今通ってきた車両に戻る。
チケットどおりの84の席に、ロック青年風が座っていた。
「ここ、私の席なんじゃないかなと思うんだけど」
と英語で言ってみる。
「あ、そうなの、ごめん」
意外と素直に席を立つ。
「で、85が夫の席のはず・・・」
すると通路を隔てたところにいた友人らしき男が、
「それじゃ、ここだよ」
と言って席を立つ。
なんだ、この人たちシートを予約してないで乗ってるのか?
でも、隣り合わせで買っているはずが、通路を隔てた席というのは変かも。
そこに車掌らしき人がやってきたので、チケットを見せると何か言いながら食堂車のほうを指さした。
車両1と車両2しかないのだから、食堂車を挟んで向こう側ということなのだろう。
ロック青年に謝って、車両の間の荷物置き場件通路に戻ったら、待っているはずの夫がいない。
しばらくそこで待っていたが、現れない。
仕方がないので食堂車を抜けて、その向こうにある車両に行ったら、ちゃっかり夫が席に座っているじゃないか。
「( ゚Д゚)ハァ?」
席を見つけたなら見つけたと言いに来てくれたっていいんじゃないの。
2両しかないんだから、気づいてこっちに来るだろうと夫は思ったのだろうが、迎えに来てほしかった。
私は頭にくると、あえて平然と見せつつ、小出しに態度に出すといういやらしい癖がある。
このときも、嫌味を小出しにしながら、非日常にあると普段見過ごすような相手の一面が気になるもんだよな、と思っていた。
この旅ではそんなことが他にもあって、それについてはまた記事にしようと思う。
こうして夫婦の小さな亀裂を乗せて、TGBはパリに向かってひた走るのであった。