職場にみえたお客様のツアーグループが、聞いたことのない言語を話している。
パンデミック前は、世界中から人々が来ていたので、
言葉の雰囲気で、イタリア語だとかフランス語だとかわかることがあるのだが、
彼らの言葉は私の知っている、どの言葉にも似ていなかった。
私のレジスターに来た男性が、英語も話せるようだったので好奇心を抑えきれずに聞いてみた。
「聞いたことがない言葉なんだけれど、何語を話しているんですか」
「僕らはポーランドからで、これはポーランド語なんだ」
男性はそう言ったあと、( ̄ー ̄)ニヤリ として
「ポーランドがどこにあるか、知ってる?」
と言った。
イタタ!痛いところを突いてくる。
「えーっと・・・・首都はワルシャワ・・・・」
ヨーロッパの、どこか。
私のアホさ加減が世界的にダダ漏れしている。
だって私、美大だし。(日本中の美大出身の人に謝れ!)
日本が中国にあるって信じている人よりマシ。(下より上を見よ)
「ふふ。ドイツとロシアの間にあるんだよ」
男性は笑って教えてくれた。
あとから調べたら、なんと、あの話題のウクライナの隣国ではないか。
「ジェンキー。ポーランド語でありがとうの意味なんだ」
新しい言葉を覚えた。
彼らに向かって、やたらと ジェンキー、ジェンキー と手を振りながら愛想笑いをしていた私は、どこかの観光地のお土産物屋のオバちゃんみたいだった。
この仕事を、まだ続けたいと思うのはこんなときである。