2 訪問介護事業者における職場の特徴と施設職員の離職との関係<施設管理者への調査をもとに>
訪問介護事業者では担当ヘルパーの雇用が難しい状況がある。本研究では、担当ヘルパーが長期に雇用されるためには、どのような職場環境が必要であるかを明らかにすることにある。
調査方法は、大阪市の訪問介護事業者1191箇所の管理者を対象に調査し、35.9%の有効票を回収した。
調査結果として、管理職の離職意識として、離職が「大変高い」4.0%、「高い」26.6%、「低い」38.6%、「大変低い」28.5%となっていた。事業者により意識の差が大きいが、低いとする割合が3分の2近くもあることは注目に値する。
管理者の捉える職場の特徴は因子分析の結果、職場内外の「職員の研修に対する体制整備」、給与・福利厚生等の「職員への待遇」、上司や仲間との関係や有給休暇や公正な人事といった「職場内の環境」、職場の社会からの評価といった「職場外との関係」の4因子に分かれた。
次に、管理者の離職意識について、4つの因子でt検定をみると、「職場内の環境」のみに有意差がみられた。その結果、上司や仲間との関係を良くし、公正な人事や有給休暇といった制度を取り入れていくことが、担当ヘルパーの継続した雇用につながると意識していることが分かった。
そのため、訪問介護事業者の職場内の環境を作り上げるために、職場内での職員を指導や支援していくスーバイザーの配置や、できる限りガラス張りの運営が求められる。管理者の意識として、これらが確立すれば、担当ヘルパーの定着率が高まることにつながることが分かった。
これは、管理職の意識調査であり、離職者調査でない限界はあるが、管理職の意識として、国なり訪問介護事業者がどのような施策を行う必要があるかが明らかになった。
今年度は、いくつかの訪問介護事業者にモデル的にお願いして、これらの明らかになった課題を具体的に解決していくことで、離職率に抑えることができるかを検証してみたいと思っている。
最後になったが、調査にご協力いただいた皆さんに、心より感謝申し上げる次第である。有り難うございました。
訪問介護事業者では担当ヘルパーの雇用が難しい状況がある。本研究では、担当ヘルパーが長期に雇用されるためには、どのような職場環境が必要であるかを明らかにすることにある。
調査方法は、大阪市の訪問介護事業者1191箇所の管理者を対象に調査し、35.9%の有効票を回収した。
調査結果として、管理職の離職意識として、離職が「大変高い」4.0%、「高い」26.6%、「低い」38.6%、「大変低い」28.5%となっていた。事業者により意識の差が大きいが、低いとする割合が3分の2近くもあることは注目に値する。
管理者の捉える職場の特徴は因子分析の結果、職場内外の「職員の研修に対する体制整備」、給与・福利厚生等の「職員への待遇」、上司や仲間との関係や有給休暇や公正な人事といった「職場内の環境」、職場の社会からの評価といった「職場外との関係」の4因子に分かれた。
次に、管理者の離職意識について、4つの因子でt検定をみると、「職場内の環境」のみに有意差がみられた。その結果、上司や仲間との関係を良くし、公正な人事や有給休暇といった制度を取り入れていくことが、担当ヘルパーの継続した雇用につながると意識していることが分かった。
そのため、訪問介護事業者の職場内の環境を作り上げるために、職場内での職員を指導や支援していくスーバイザーの配置や、できる限りガラス張りの運営が求められる。管理者の意識として、これらが確立すれば、担当ヘルパーの定着率が高まることにつながることが分かった。
これは、管理職の意識調査であり、離職者調査でない限界はあるが、管理職の意識として、国なり訪問介護事業者がどのような施策を行う必要があるかが明らかになった。
今年度は、いくつかの訪問介護事業者にモデル的にお願いして、これらの明らかになった課題を具体的に解決していくことで、離職率に抑えることができるかを検証してみたいと思っている。
最後になったが、調査にご協力いただいた皆さんに、心より感謝申し上げる次第である。有り難うございました。