ソーシャルワークの TOMORROW LAND ・・・白澤政和のブログ

ソーシャルワーカーや社会福祉士の今後を、期待をもって綴っていきます。夢のあるソーシャルワークの未来を考えましょう。

一年の締めくくりはハッピーな話で

2008年12月31日 | 社会福祉士
 2008年も最後の日となった。様々なことがあった一年である。今年の締めくくりは、ハッピーな話で締めくくりたい。

 そして、来年は還暦で年男である。来年こそ、私にとっても、社会にとっても、良い年になってほしいものである。来年に願いを込めて、うれしかったことを紹介する。

 10月にある介護事業者の20周年記念に「介護は進化する」というテーマで講演をさせて頂いたが、その要約が、事業者の広報誌に掲載された。その内容は以下の通りである。

『介護は進化する』
 世間では、介護職の給与は低いといわれています。介護報酬があがって給与が上がるに越したことはありませんが、給与が上がることだけが介護の進化ではありません。介護にやりがいを持つ、自分自身の仕事にほこりを持つことです。介護をして「ありがとう」と喜んでもらうことだけが介護者のやりがいではなく、仕事内容からやり甲斐生き甲斐を高めることです。

 人間は高齢になるにつれ、努力をしても身体機能は低下していくものです。もちろん身体機能面の向上や維持は大切ですが、介護は身体の状態をよくすることだけではありません。「精神心理面で笑い顔が増え、家族の状態が良くなり、介護者の負担が減って楽になる」という利用者の生活の質(QOL)を高めることです。

 では、どうすれば利用者の注活の質(QOL)を高めることができるのでしょうか?

1つ目は、「自己決定権」です。つまり、自分で選択し、自分で決定し、自分で責任を持つことが大事です。身体の自立は難しくても、精神的自立はできます。

2つ目は、「生活の継続性」(つなぎ目の無いケア)です。ヘルパーがかかわり、デイがかかわり、また医者がかかわり、福祉用具が整い、住宅がバリアフリーになり、日々の生活がきちっとできるというように、保健・医療・福祉・介護の様々なサービスが連続して提供されることが大事です。そのためには、ケアマネジャーが介護の必要になった時から亡くなるまでその方の変化に合わせたサービスを提供していくことが大事です。残念なことに、2005年の介護保険制度の改定で、ケアマネジメントが要支援は地域包括支援センター、要介護者は居宅介護支援事業所となり、生活の継続性をこわしています。
 
3つ目は、「残存能力の活用」です。過不足の無いサービスが、意欲や能力を高めるのです。セルフケア(自己管理)を補うために関わり、本人が力をつけ、できることを増やす、そういう支援が大事です。
 
以上の3点を支援することで、介護者は仕事にやり甲斐がもて、利用者も人生に生き甲斐がもてるのです。

「健康が戻らなくても、幸せはある」のです。

☆☆☆☆☆☆

 93歳のますみさんは自宅で子どもに読み聞かせの会を開催して30年になる、地域ではカリスマ的な方だそうである。しかしながら、身体的な衰えもあり、デイケアに通うようになり、介護保険サービス利用者になったことでの落胆も大きかったという。

 ますみさんもこの広報誌を読まれ、ますみさんは、自ら出している読み聞かせの会のニュースレター『えほんのへや』に、写真のような達筆で、かつ絵をそえた文章を書かれた。その内容は、日々の老化に戸惑っている時に、私の講演での話を事業者の広報誌から見つけて頂き、自立した生活の再スタートをしてくれたことである。

 この文章は、事業者を介してますみさんから頂戴したものであり、大切に残しておきたく、写真にした次第である。誰もが、身体的な衰えから、自分に自信をなくしていくことになるのではなく、自分で決めることで人生の意義を見いだしていこうとする気持で老後を送りたいものである。ほんとに、自立の本来の意味を考える素晴らしい話である。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
良いお年を (k.i)
2008-12-31 02:22:20
良いお年を
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良いお年を (k.i)
2008-12-31 02:23:02
良いお年を・・・
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