ソーシャルワークの TOMORROW LAND ・・・白澤政和のブログ

ソーシャルワーカーや社会福祉士の今後を、期待をもって綴っていきます。夢のあるソーシャルワークの未来を考えましょう。

2025年の医療・介護のセフティ・ネット(4)ー地域包括ケアの必要性

2008年12月12日 | ケアや介護
この医療・介護のシュミレーションで気になったことの一つは、在宅での個々の利用者へのサービス・デリバリー・システムをどのように展開していくのかである。ここに示した図では、「地域包括ケア」という言葉で示されているが、2025年までにどのように地域包括ケアを作るのかがポイントである。

 今回のシュミレーションでも明らかにされたように、この地域包括ケアでは、公的なサービスでは、居宅介護サービスだけでなく、在宅医療サービスをも含めた包括ケアを推進していく必要がある。同時に、その機能は部分的に衰退していく可能性も強いが、家族や近隣、さらにはボランティアやNPO団体といったインフォーマルケアも統合した地域包括ケアでなければならない。

 そのためには、現状の「地域包括支援センター」と「居宅介護支援事業所」の2つの拠点がどのような役割分担をすることで、地域包括ケアが形成できるかを考えていく必要がる。

 私の考えは、地域包括支援センターは日常生活圏の仕組みづくりに焦点を当て、単に介護サービス事業者だけでなく、医師も含め、さらに自治会、民生委員協議会、老人会等も参画して、すべての高齢者を支える仕組み作りを推進していく拠点になっていく必要がある。一方、居宅介護支援事業者のケアマネジャーには地域包括ケアの主要メンバーとして参画してもらい、個々の要介護高齢者を支えるネットワークを作り、維持していく機能を果たしていくことが求められる。

 地域包括支援センターがこのような役割を果たしていくためには、職員が能力を高め、仕組み作りへの努力もさることながら、この実施主体が行政であることを鑑み、行政が社会的な承認を与えていき、同時に各種団体の参画を促していく役割も重要である。同時に、2025年には障害者も一体的に捉えた地域包括ケアの時代を迎えている可能性が強い。その時には、包括ケアに参画する組織メンバーも、就労や教育分野にまで拡大することになる。

 こうした長期的な展望に立って、地域包括支援センターを再構築していく必要があろう。


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