久しぶりの更新となりますね。
今回の絵はボリビアとパラグアイが石油埋蔵”推定”地域グラン・チャコを巡る、チャコ戦争(1932~35)時にボリビア軍が投入したヴィカースMk.E Type-A(双砲塔型)軽戦車です。
ヴィッカース・アームストロング社「国土拡大?その程度の願い、造作もないことさ。さあ、僕と契約して戦車と戦闘機を買ってよ!」
とばかりに、ボリビア政府はヴィッカースA社と航空機と戦闘車両の購入契約をしたそうです。
しかし熱帯地域に無理やり戦車を投入した結果車内は4~50℃の暑さになり、おまけに随伴歩兵という概念もなかったため、
パラグアイ軍のクルップ75mm野砲や手榴弾などによるアンブッシュや、倒木を使ったトラップで鹵獲されるなど散々でした。
そのほか、カーデンロイド豆戦車も使われ、パラグアイ側もイタリア製CV33を投入したようです。
絵ではハッチ類は閉めきってますが、実際には暑さに耐えきれずハッチ全開で戦闘に臨み、パラグアイ兵に手榴弾を投げ込まれて損害を出しました。
歩兵は両軍の主力だったマウザー1924ライフルを装備、
イラストでは軍帽とズボンはオリジナルですが軍服はWW1のアメリカ軍のお古のM1912に、襟に兵科色の万朶の桜(?)を付けてました。
足元は茶革のアンクルブーツかサンダル履きで、たまに米軍みたいなキャンバスレギンスを履いていたようです。
ブエノスアイレス条約によって係争地グラン・チャコは結局パラグアイ領となりましたが肝心の石油は出ませんでした。
不毛の地を得るためにパラグアイは4万人近い死者をだし、ボリビア軍も5、6万人を失っています。(ボリビアはどうにか新境界線内にパラグアイ川沿岸があったことで、大西洋の出口を得ることが叶いました)
失ったものばかりで得るものが何にもない、そういう戦争の典型ですね。その割には両国とも本気でやり過ぎな気もしますが。
他にもカーデンロイド豆戦車も投入されましたが、気候が悪くパラグアイ兵に肉弾戦で壊滅させられました。(パラグアイ軍側もイタリア製CV33を購入したようですが戦果は不明です)
航空機だとヴィッカースにカーチスにポテーズと…。
兵器の時代的にもなんか日華事変の状況に似てますね。
当ブログはおもに幕末期の軍事がメインになってますが、こういう誰得ミリタリー話題を掘り下げておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
あの戦争のほうは海戦が戦略上重要な位置を示しましたね (しかし期間中の大半は陸戦でしたが…)
太平洋戦争時の各国軍装もなかなか面白いので、たまに描いてます。