古物商  showa 土花亭

          効率性や利便性だけで埋め尽くされた今の時代。少しだけ時計の針をゆっくりと進めてみませんか。

イギリス・ジョーンズ社ハンドソーイングマシン

2016年11月11日 | ミシン

以前、書きました「凄いミシンの整備が待ち構えています」というのは、今回ご紹介します

ジョーンズ社(イギリス)製と思われるミシン。その独特なフォルムから通称「ジョーンズハンド」と呼ばれる逸品です。

ジョーンズ社は1859年から歴史が始まり、この「ジョーンズハンド」は1880年頃のミシンとされます。

この機種は、当時の英国第一皇太子妃「アレキサンドラ」が使用し、絶賛したことから英国王室御用達

のような扱いになった歴史があります。

当方が入手した時点ではハンドルも回らず、錆びも目立ち単なるインテリアとして飾られていたものでした。

外装のクリーニングから磨き作業を掛けながら各部品のチェック作業。欠品がほぼ無いことを確認し

次は難関の試行錯誤の可動へと移行して行きます。

幸運にも残っていたシャトル(下糸ボビンケースとボビン)。

今まで見て来た「シンガー製(砲弾型)」や「ドイツ製(ボート型)」とも違う形をしています。

正面右下の下糸巻き機でボビンに糸を巻きますが、プーリーの内側に接する車が擦り減った状態で

回転が鈍く、スムーズにボビンに糸を巻けない中、何とか試縫い用ぐらいの長さを巻きボビンケースへ。

そして、本体に装填したところです。

ここから、下糸が上手い具合に引き上げられたら幸いですが、そんな心配をよそに一発で引き上げに成功。

引き続き、試縫いの作業ですが当時の資料も何も無い状態で、今までの経験値のみで試縫いを行います。

少しバラ付きはあるものの一応は縫えること確認。これについては上糸の掛け方の再考と、

下糸の強さを調整(ボビンケースで調整)すれば綺麗に縫える範囲と判断します。

そんな試縫いも施したところで外観のご紹介です。

130年以上の年月を考えれば未だ「金細工模様」は残っている方でしょうか。

正面より背面の方が弱冠、現存率は高いようにも感じます。

ハンドル(プーリー等)部分の状態は奇跡的に非常に良い状態です。

この英国製やドイツ製ミシンでよく見掛ける、車(プーリー)の溝は足踏みミシンとしても使用出来るように

予め、革ベルトを掛けることが出来るようにしてあると言われてます。

現に、このミシンの4本の猫脚部分の裏面には裏側からビスで止めれそうな穴が空いております。

そして、真上からの「ひょうたん型」の独特なフォルム。

今まで携わった「アンティークミシン」の中では最高の逸品となります。

イギリス・ジョーンズ社ハンドソーイングマシン/1880年: 価格応談 

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ALL LEAD製初期型手回しミシン No2

2016年11月06日 | ミシン

調整作業も終わり、ご紹介出来るようになりました「ALL LEAD製初期型手回しミシン」。

いつものように当然、試縫いを行い実働品としてご紹介しております。

単環縫い。裏側のステッチも綺麗です。

この個体の売りは何と言ってもヘッド部分(カマ)の「金細工模様」の残存率で、裏側もご覧の通り100%に近い状態です。

当然、ベース部分はミシン裁縫作業上、使い込まれますので擦れによる剥げは仕方ありません。

浮き錆びも当然ございますが出来る限り磨いております。

通常、欠品が目立つハンドル側の「半月状」の蓋もオリジナルで残っております。

ヘッド部分を持ち上げると、内部に「検査済証」。通常、この部分の木部は汚れていたりする場合が

多いのですが、大切に使われていたであろう大変綺麗な状態です。

蓋を被せた状態です。今回、蓋部分はほぼ手を加えてありません。金具部分もメッキが剥げ錆も出てはいますが

良い趣の状態なので、あえてそのままにしてあります。

反対側の状態です。ロック機能も問題ありません。

手を加えてないとは言え当然、クリーニングの上蜜蝋で磨き上げてます。

今まで出会った「ALL LEAD製初期型手回しミシン」の内では非常に状態は良好です。

以前、ご紹介した「ALL LEAD製初期型手回しミシン」とも比較してみてください。

それぞれが一長一短はございますが、程度の良さがお分かり頂けるかと思います。

ALL LEAD製初期型手回しミシンNo2: 現状¥43,000-(送料別)

 

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ミシン整備中ぅ

2016年11月02日 | ミシン

只今、整備中の「オールリード社製」。

又、仕上がり次第この場でご紹介いたしますが、この後には凄いミシンの整備が待ち構えています。

そちらも又、いずれ。。。

 

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ドイツGuhl&Harbeck製手回しミシン

2016年09月26日 | ミシン

showa土花亭に来た頃には正直、錆の塊だった「ドイツGuhl&Harbeck製」の手回しミシン。

推定1920年頃のモデルと思われる単環縫い(ステッチ縫い)手回しミシン。

連日、錆との格闘でとても可動するとは思えなかったこのミシンも、少しづつ動くようになる。

欠品はアーチ上部の糸調子皿のスプリングバネと針固定ボルトぐらい。

特徴的なのはこの脚部分。この辺りの装飾は欧州製ミシンの特徴。

手を施して行く内に可動するようになり、各部の機能も調整は必要であるものの問題なく動く。

とは言え、この手のミシンはインテリアに留めた方が趣があるのかも知れません。

ドイツGuhl&Harbeck製手回しミシン(1920年頃):非売品

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スベリ板の再々生

2016年05月09日 | ミシン

以前、ご紹介した「NEW HOME MIDGETミシン/1912年製」の再生スベリ板。

当時は形のみをアルミ板で再生したためスライド機能は持たず、ただ蓋としての置いてある程度。

今回はそれを再度、造り直しスライド機能を持たせることに。

丁度、「奇跡のNEW HOME MIDGET キャビネット型ミシン/完品」が有ったため、それを参考に製作。

本来の機能を持つ「スベリ板」が再々生出来ました。

 

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