福谷章子のまちづくり

さまざまな役割を持ちながら暮らす中で、日々出会い触れ合う人々、街、文化、自然、出来事についてつづります。

この先何十年の社会づくりを見据えた千葉市の新市庁舎整備

2017年02月04日 | 議会活動&千葉市政


みなと公園の河津桜が咲き始めています。
今年は早めでしょうか。

今日は、新庁舎整備シンポジウムを拝聴してまいりました。
三部構成で、第一部はリレートーク。
スピーカーは熊谷市長、設計者の隈研吾さん、設計会社の山田幸男さん。

市長から過去50年間の市役所周辺の推移について説明があり、
隈研吾さんは、市役所は単なるオフィスビルではなくシティホールであり、シティホールとは人が集まる場で複合機能とオープンスペースがある、というコンセプトを披露。
山田さんは、どんなことがあっても機能を継続しなければならないものとして病院の他に市役所の存在を指摘。

第二部は、現在市役所周辺に集積している企業や団体の代表によるパネルディスカッション。
登壇者は、日本赤十字社千葉県支部、東京ガス(株)千葉支社、東京電力パワーグリッド(株)千葉総支社、(株)NTTドコモ千葉市店、千葉みなと地区自治会連合会のみなさんで、ファシリテーターは、(株)フロントヤードの長谷川隆三さん。

こうしてみると、市役所周辺には生活インフラを担う企業や情報通信事業者、医療関連機関や金融機関、ホテルなどが集まってきていることに気づきます。
それぞれにこれまでの大震災の経験を踏まえて、災害にどのように対応すべきか、その際に防災拠点としての庁舎はどうあるべきか、という観点で考えが披露されました。

共通しているのは、災害時に市民生活をどのように継続させるか、情報を如何に素早く収集し分析して発信するか、緊急時に機能するために日頃からいかに市民に身近に感じてもらうか、駅から海へと連続するまちの価値を市役所庁舎があることでさらに高めていくこと、などでした。

第三部は、市長と隈研吾さんと山田幸男さんによるまとめ。
まちをつくるために何をするか。
山田さん:人や企業との連携。結局はつなぐこと。そして、災害時には市民を支える職員や集まったボランティアにけがをさせない強度を保障すること。
隈さん:まちとの関連を考えると庁舎整備だけではなく、プロムナード、ストリートファニチュア、並木などにも配慮。楽しさが安全につながるから。庁舎にはフレキシビリティとシームレス、日常と非日常を考慮した空間づくりが大切。
市長:オール千葉市、千葉市民で可変性に富むように。オリンピック以上に少ない機会と捉えている。
ということでした。
 

私の個人的な感想としては、以前から庁舎整備は周辺のまちづくりを含めて考えるべきものと思っていましたので、今回のシンポジウムの内容は納得できるものでした。
つまり、
新庁舎整備は、その過程と完成後にまちづくりを牽引していくという重要な役割がある。
今回は、主に災害時の本部拠点の観点で語られていたが、市役所周りには生活インフラを担う企業や医療機関や金融機関が集積し、交通の便もあり、海が間近という恵まれた周辺環境であることを再認識すると、それらとの連携や活用で機能は広がり、まちづくりの可能性も高くなる。
ポイントはハード云々(うんぬんと読む)よりも、区役所ではない本庁がどのように市民を引き寄せることが出来るかである。
というものです。

今回のシンポジウムは、多職種の企業や団体を招いて議論をしたことによって、庁舎整備が「箱ものつくり」に矮小化されることなく、これから何十年も先の社会づくりという観点を持つべきということを宣言したように感じました。


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