福谷章子のまちづくり

さまざまな役割を持ちながら暮らす中で、日々出会い触れ合う人々、街、文化、自然、出来事についてつづります。

普通って?自立って?「普通に生きる」を見て

2017年11月19日 | 障害者福祉


おゆみ野文化祭で、映画「普通に生きる」を見て、プロデューサーの貞末麻哉子さんのお話を聞きました。

この映画は、重度心身障害の子をもつ親たちが力を合わせて日中の居場所を作り、さらにショートステイやケアホーム、グループホームを行政に働きかけ、地域の理解を図りながら進めるプロセスを追ったドキュメンタリー映画です。

この映画を見て、私は揺さぶられています。
ここまで真剣に何とかしよう・・・と向き合ったことはあっただろうか?甘い人生を送っているのではないか?と。

食卓を囲み、笑い、怒り、音楽を楽しみ、祭りに歓喜し、美しい光に感動し、人の話をじっと聞き、主張する。
そういった普通の生活を全介護の子どもたちも送っています。
全介護だからという理由でそういった生活が送れなくなるとしたら、そんな理不尽なことは無い。
このシンプルな思いに人生をかけている人たちの記録ですが、気負いも悲壮感もありません。
むしろ、見ている私たちを幸せにし勇気づけます。

プロデューサーの貞末さんは二つのことを仰いました。
・いろいろな普通がある中で、普通に生きるということを考えてほしい。この人たちは普通に生きられているだろうか?
・自立とはその人が自立するのではなく、周囲や社会が自立させることであり、そのためには誤解と偏見と無知を無くしていかなければならない。

 

この映画に登場する何組もの親子の関わりを見て、子どもたちの表情の豊かさ、喜怒哀楽の表現に心打たれます。
多くの人に関わることで重度障害の子どもたちの表情も豊かになり、彼らに関わることで周囲はその細かな感情に気づいていくという関わり合いの大切さが伝わってきます。
この子たちは、普通に生きているのだと。

親亡き後のために自立させなければならないという親の思いは、障害児をもつ親には特に強いかもしれません。
自立とは、一人で生きていけることではなく、頼れる場所や人を増やしていくということだということを、もう一度社会の共通認識として持ちたいと思いました。

「一人でがんばりなさい」とか、「人に迷惑をかけないように」というのは美徳でも何でもない単なる独りよがりではないかと感じていましたが、まさにその通りだと確信し、助けて!と言いあえる寛容な社会にしていきたいと、あらためて自分自身に言い聞かせています。

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諦めたらおしまい

2017年11月08日 | 障害者福祉


私は今、知的障害の人たちの入所や活動支援や就労や居場所づくりに取り組む社会福祉法人で、理事兼嘱託職員として働いています。
私が担当しているのは、知的障害という分野とは少し異なっていて、法人が行う地域公益活動を任されています。

その場所が、ふくろうやです。

ふくろうやでは、地域包括的な福祉活動に取り組み、その範囲の広さゆえに時として目的が拡散しがちで、常に「何のために」その事業をするのか、ゴールのイメージをどのように描くのかを自問自答し、起案するスタッフにも問いかけています。

大きな目的は、知的障害について地域理解を広めることと、地域でひとり苦しんでいる人の拠り所となるような場を創っていくことです。
このこと自体は、ある面では状況に応じて臨機応変な取り組みが良いと考えています。

一方で、福祉に携わる者のスタンスとしてはそれでは甘いとも思い始めています。

それは、理事長のこんな思いを知っているからです。
「できないからそれでいいと思ったら、福祉の世界ではおしまいなんです。できなかったらどうしたらできるのか考え、あらゆる工夫をして少しでもできるようにする。それが福祉職なんです。」

プロとアマチュアの違いはこのスタンスにある。
私は福祉の世界ではまだまだプロになりきれていない。

そう思うと、職員の必死の姿が次々と浮かびます。

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障害者の就労支援 支える仕組みはまだまだです

2010年05月19日 | 障害者福祉

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17日は知的障害者更生施設「しいのみ園」の評議員会でした。

21年度の報告や、これから始まる新規事業計画などについて審議検討、確認しました。

しいのみ園は50人の入所者がいる施設ですが、ここ2年、グループホームやケアホームを作り、小規模化して家庭的な場所で地域生活が出来るような準備をしてきました。

次のステップは就労です。

しかし、就労と一言で言っても簡単なことではありません。

            

P1020834_2 これまで規模の大きい施設で暮らした人たちが、地域へ、社会へと踏み出すためのサポート体制はまだまだ社会的に整ってはいません。

さて、しいのみ園では利用者さんたちにいくつかの体験の場を整えてきました。

その新たな取り組みが、「農」に関すること。

一つが森の中のキノコの栽培場。

ちょっと素敵な雰囲気で、森林浴もできそうです。

一昨日はしいたけの菌の植え付けが終わったところでした。

そしてもう1か所は、農場。

温室を作り直して、畑らしくなっています。奥のみどりは小松菜。手前の畝にはホウレンソウの種をまいたところです。

    

さて、ここまでの作業は職員が中心となって進めてきました。

しかし、まだまだ人手が足りません。

P1020835 福祉施設の職員だけでこれらの作業をしていくことはとても大変だということは容易に想像できます。

今後、作物を出荷し、流通させて就労に結び付けていくとしたら、それを施設の職員で担っていくことはほとんど不可能に近いのではないかと思われます。

ボランティアの手助けはもちろんですが、就労まで結びつけるための専門家も職員として配置しなければ、実効性ある取り組みはなかなかできないのではないかと感じます。

   

まずは、こういう取り組みの理解者を増やすこと。

農作業が好き、森林浴もいいな・・・という方がいらっしゃいましたら、お知らせください。

しいのみ園は、ボランティア大歓迎です。

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ポジティブシンキングで精神病と仲良く

2010年02月10日 | 障害者福祉

P1020001 日曜日に、鎌取コミュニティセンターで開催されたこころの健康教室に参加しました。

統合失調症やうつ病など、いわゆる精神病と言われている人たちは、身体の障害のように一見して障害を持っているということが分からないので、日常生活では苦労しています。

高度経済成長社会では、早く、強く、大きくという価値を重視し、さらに最近では失敗を許すゆとりの無い風潮が顕著なために、繊細な感性の持ち主には耐えがたい場面が多いのではないかと感じます。

現に、自殺者は年々増加して3万人を超えています

そんな中で、こころが病んでいくのは、誰にも起こりうることです。

        

講師の広田さんは戦後の混乱の中、両親の不和に悩み、職場で辛い目に合い、30歳で燃え尽きて37歳で精神病院に入院をしました。

その経験から、今では精神医療サバイバーとして相談や講演に走りまわっています。

くよくよ考え込まないで、ポジティブに生きること!

そんなメッセージを力いっぱい会場に伝えてくれました。

また、超高齢化社会においては多かれ少なかれ、さまざまなことを忘却し、我を失っていくのですから、

「私は、みなさんよりも一足早く精神病にかかっています」

と、堂々と胸を張って生きていきましょう・・・と。

        

日本では、33万2千人が精神病で入院し、そのうちの20万人が入院の必要の無い社会的入院なのだそうです。

先進国でこんなに多い国は他に無く、これは退院先がない、日本社会に受け入れる風土が無いから、と指摘されました。

確かに、おゆみ野地域でも精神病に関する施設建設については必ず反対の声が上がりますが、その根拠は、何となく不安だというもの。

それは病に対する無理解によるものですが、無理解が偏見を呼び、偏見があるから家族や本人は隠す、よって理解されない・・・という悪循環により、受け入れる文化が育ってこなかったのではないでしょうか。

精神病は治せないので、多くの医者こそが悩んでいる、とも。

来賓として最前列に並んだ私たち市議には、

「精神障がいへの理解を広げることが大切。家族など身近な人にも理解されないような現状もある。議員は制度云々の前に、精神病院の保護室に泊まり、当事者と一晩じっくり付き合ってみてください。」

と、メッセージがありました。

保護室の泊るのもいいけれど、市議であろうとなかろうと、まずは地域で友人や仲間になることかな・・・と思います。

       

毎年開催されていますが、昨年の内容は下記のようにまとめています。

http://blog.goo.ne.jp/shoukosan_001/d/20090209

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障がいのある人の地域生活のために

2009年05月17日 | 障害者福祉

P5170001 午前中、鎌取コミュニティセンターにて、社会福祉協議会おゆみ野地区部会の総会に、理事として出席。

しかし、残念ながら午前中は、もう1か所参加したい行事があったために30分で退席。

誉田にある「しいのみ園 こころ」に向かいました。

障害者自立支援法によって、施設入所者は施設から出て地域で生活をすることが求められ、そのための準備で、どの施設もこの数年頭を悩ませています。

しいのみ園も同様で、一昨年から、グループホーム2か所を設置し、本年度は畑の借り入れと通所事業所を開所するという、めまぐるしい事業展開を余儀なくされています。「しいのみ園 こころ」とは、その通所事業所の名称なのです。

今日は、それら新たに開設した施設を午前中に見て回り、午後1時から評議員会に出席しました。

グループホームが2か所できたことにより、11人の方々が本体施設しいのみ園を出て一般住宅で生活をしながら事業所に通い、就労を目指すことになりました。

次なる課題は、就労の場作りです。

そのために、畑を借りたわけですが、さて、この畑で収益があげられるようになるためには、これまた並々ならぬ努力が必要です。

農作業のノウハウから、販売ルートの確保まで、課題山積なのです。

こういった法人の苦労は、なかなか一般には知られない、理解されない、というのが、残念ながら私たちの社会の現状なのかもしれません。

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