福谷章子のまちづくり

さまざまな役割を持ちながら暮らす中で、日々出会い触れ合う人々、街、文化、自然、出来事についてつづります。

アイデンティティと桃源郷

2016年04月06日 | 景観


桃源郷だなんて大げさな表現かもしれませんが、おゆみ野の南のはずれのこの地区は、計画的に開発された街とは風情を異にしています。
大百池公園の桜を見に行く途中に、ふと立ち寄ってみました。

静かな村落。
どこかから聞こえる人の話し声。
時々出会う、お散歩中の犬と人。
  

畑で飛び跳ねるキジや家の周りに植えられた真白な水仙。
  

こういった生活が普通に残されているところも、千葉市が誇るべきことであり、ここにアイデンティティの根が潜んでいるように思います。

今日は、中学校の入学式に出席して緊張し、すいようカフェに遅れて顔を出して大笑いしたり支援することについて考え、その後ふらりと見納めの桜を求めて出たのですが、こちらの風景に癒されました。


ゆったり千葉市の真ん中を

2012年01月07日 | 景観

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 久しぶりに千葉市の中心市街地を歩きました。

昨年休止し、今年復活したという中央公園のイルミネーション。

年末までかな・・・とあきらめていましたが、5時頃外に出てみると、青い光が幻想的です。

また、最近市内17カ所に設置されたという案内板も見つけました。

http://www.city.chiba.jp/toshi/toshi/machidukuri/annnaibann-setti.html

      

 近頃、市内の移動はもっぱら車で、この場所も通り抜けるだけの場となっていましたが、歩いてみると気持ちに余裕ができます。

道路沿いのお店の中をのぞいたり、行き交う若者の悪ふざけに肩をすくめたり、笑いがこぼれたり。

車の流入規制についても、実験的に試してみるのもいいかもしれないな・・・と思いながら、コートの襟を立てて、夕方の街のそぞろ歩きを楽しみました。

        


課題は合意形成  景観計画勉強会

2010年05月09日 | 景観

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千葉市では、景観計画案を作成し、5月14日までそのパブリックコメントを募集しています。

http://www.city.chiba.jp/toshi/toshi/keikaku/pabukome-toshikeikaku.html

            

おゆみ野守り人( http://yamazakijirou1.cocolog-nifty.com/mamoribito/ )では、その計画に関する学習会を企画し、地域の住民がどのようなアクションを起こせば、街の景観やたたずまいを守っていけるか、ということを話し合う場を設けました。

都市景観デザイン室にお願いしたところ、休日の夕方にも関わらず快く説明に出向いてくれ、地域からも町内自治会連絡協議会やまちづくり協議会など、20名近くの方々が、集まってくださいました。

まずは、景観計画策定の経緯を聞き、その後、計画の内容について説明を受けました。

P1020740 概要のポイントは、

  • 建築物だけにとらわれない計画である
  • 千葉市全体を景観計画区域とし、うみ・まち・さとの景観ゾーンごとの方針を定めた
  • 一定の基準を設けて、届け出対象を決めた
  • 景観形成推進地区に指定した地域は基準を別途定めることができる
  • 景観重要建造物や景観重要樹木を指定できる

などです。

さて、ここで議論となったのは、住民合意の取り方です。

たとえば、樹木を一本剪定するにしても、切って欲しい人と切って欲しくない人とがいて、担当課はほとほと困り果てている・・・というのが現状です。

では、どうしたら良いのか。

住民も行政も実はここが最大の悩みだったのです。

           

説明を聞いた後、全体での意見交換では、以下のようなやり取りがありました。

  • 市民の合意形成とは、何をもって判断するのか。
  • 街の悪化は、行政で止めてくれないと、市民では抑えられない。
  • 欅の並木が筒切りにされてしまったが、あんな風に切ってほしくなかった。
  • 茂みの中から変質者が出る。繁りすぎた樹木は伐採してほしい。安全安心が保たれてこその景観だ。
  • 市民の意見が分かれると行政は身動きが取れないが、それぞれの事業部門では、市民意見を聞いてやっていると思う。
  • 市民目線に立ってやるにしても、切れ、切るな・・・さて、どれが市民の意見か、判断が難しい。
  • 庁内でも景観に関する認識が異なるので、まずは職員への周知が必要。
  • 苦情がきたらすぐ切るのは、いかがか。
  • 住民合意を得るための方策はないか。
  • エリアを決めるというのも一つの方法。
  • どの程度の賛成があれば、合意とするのかがわからない。
  • 景観ついては協議会のような場所で、議論できるのが良いと思う。

なるほど、どんな景観が良いか・・・という景観そのもののことよりも、合意形成はどのように行うのか、ということが最も重要かつ困難な課題であることが、クローズアップされました。

             

これは、景観のみならず、あらゆることに当てはまります。

私たちは、お互いの意見を理解し合い、さらに譲りあえる接点を見つけるということがいかに苦手か、いや、苦手ではなくそういうことに慣れていないか・・・と表現した方が正しいかもしれません。

市民参加とは、かくも困難な道のりにあるのです。

まさに、言うは易し!ということを肝に銘じねばならぬと感じています。


早めにそして慎重に ケヤキとムクドリ

2010年02月15日 | 景観

002 緑区役所の周辺の遊歩道の街路樹ケヤキ。

その下には駐輪場。

今は葉を落としていますが、夏から秋にかけては豊かに繁り、美しい景観や涼しい木陰を提供してくれます。

人にもムクドリにも、公平に・・・。

            

そのムクドリですが、年々歳々縄張りを広げ、仲間を増やして勢力を拡大してきたためか、今では虫を食べる益鳥であったことなど忘れられて、どちらかというと疎まれる存在です。

自転車を停めている人や、周辺に住んでいる人にとっては、糞害や騒音が悩みのタネとなっています。

市では、忌避音を流したりケヤキを伐採したりして、ここ数年いろいろ対策をとっています。

今年は、早めの対策を、と最近ケヤキの剪定をしました。

過去に行ったような筒切りではなく、枝を透いて樹形を損なわないよう細心の注意を払っての剪定です。

その傍らの河津桜は、さらに豊かな深めのさくら色になっています。

春に向かって、さまざまな準備が始まっています。