千葉市では、景観計画案を作成し、5月14日までそのパブリックコメントを募集しています。
http://www.city.chiba.jp/toshi/toshi/keikaku/pabukome-toshikeikaku.html
おゆみ野守り人( http://yamazakijirou1.cocolog-nifty.com/mamoribito/ )では、その計画に関する学習会を企画し、地域の住民がどのようなアクションを起こせば、街の景観やたたずまいを守っていけるか、ということを話し合う場を設けました。
都市景観デザイン室にお願いしたところ、休日の夕方にも関わらず快く説明に出向いてくれ、地域からも町内自治会連絡協議会やまちづくり協議会など、20名近くの方々が、集まってくださいました。
まずは、景観計画策定の経緯を聞き、その後、計画の内容について説明を受けました。
概要のポイントは、
- 建築物だけにとらわれない計画である
- 千葉市全体を景観計画区域とし、うみ・まち・さとの景観ゾーンごとの方針を定めた
- 一定の基準を設けて、届け出対象を決めた
- 景観形成推進地区に指定した地域は基準を別途定めることができる
- 景観重要建造物や景観重要樹木を指定できる
などです。
さて、ここで議論となったのは、住民合意の取り方です。
たとえば、樹木を一本剪定するにしても、切って欲しい人と切って欲しくない人とがいて、担当課はほとほと困り果てている・・・というのが現状です。
では、どうしたら良いのか。
住民も行政も実はここが最大の悩みだったのです。
説明を聞いた後、全体での意見交換では、以下のようなやり取りがありました。
- 市民の合意形成とは、何をもって判断するのか。
- 街の悪化は、行政で止めてくれないと、市民では抑えられない。
- 欅の並木が筒切りにされてしまったが、あんな風に切ってほしくなかった。
- 茂みの中から変質者が出る。繁りすぎた樹木は伐採してほしい。安全安心が保たれてこその景観だ。
- 市民の意見が分かれると行政は身動きが取れないが、それぞれの事業部門では、市民意見を聞いてやっていると思う。
- 市民目線に立ってやるにしても、切れ、切るな・・・さて、どれが市民の意見か、判断が難しい。
- 庁内でも景観に関する認識が異なるので、まずは職員への周知が必要。
- 苦情がきたらすぐ切るのは、いかがか。
- 住民合意を得るための方策はないか。
- エリアを決めるというのも一つの方法。
- どの程度の賛成があれば、合意とするのかがわからない。
- 景観ついては協議会のような場所で、議論できるのが良いと思う。
なるほど、どんな景観が良いか・・・という景観そのもののことよりも、合意形成はどのように行うのか、ということが最も重要かつ困難な課題であることが、クローズアップされました。
これは、景観のみならず、あらゆることに当てはまります。
私たちは、お互いの意見を理解し合い、さらに譲りあえる接点を見つけるということがいかに苦手か、いや、苦手ではなくそういうことに慣れていないか・・・と表現した方が正しいかもしれません。
市民参加とは、かくも困難な道のりにあるのです。
まさに、言うは易し!ということを肝に銘じねばならぬと感じています。