福谷章子のまちづくり

さまざまな役割を持ちながら暮らす中で、日々出会い触れ合う人々、街、文化、自然、出来事についてつづります。

千葉市の文化振興について思う

2017年08月19日 | アート・文化


これは、8月27日に市民会館で開催される千葉市民創作ミュージカル「夜空に咲く夢ー芋神様がくれたものー」のお知らせです。

ちょっと前になりますが、千葉市議会のインターネット中継を聞いていたら、たまたま文化行政が取り上げられていました。
文化施策としてどんな成果が挙がっているか?という問いに対して、大規模な音楽イベントが羅列されました。
その答弁に特に異論は出されずやり取りは流れていきましたが、私はそれを聞いていて物足りないと思いました。

文化施策の一つには、大勢の市民が足を運んで観客として楽しむイベントを打ち出すということももちろんあると思います。
余暇として楽しみの場を創造することは確かに有用です。
一方で、真に音楽等の芸術文化を好きになる市民を増やしていくことは、もっと大切な行政の役割ではないかと思うのです。

好きとか愛するとか心の内面に関することは行政が関与すべきことでないですが、好きになれる機会を創ることはとても重要なことだと考えます。

では、どうしたら好きになれるのか?
そこを考えていくのが政策作りの醍醐味です。

ただ来場者が多ければいいのか?
回数が多ければいいのか?
これまでの評価ではそういった定量的な面ばかりが重要視されてきました。

今、文化活動(ばかりではありませんが)の担い手がいないと右往左往している現状は、芸術文化に関して自らも創造的なスタンスで関わりたいという人たちが生み出されていないということではないかと感じています。

冒頭の千葉市の市民創作ミュージカルには、小学2年生から80歳まで60人の市民が参加し、11月から練習を始めてアマチュアながら素晴らしいステージになっていると聞きました。
今日開かれたアートタウンおゆみ野の企画会議の中で報告されたのです。

この60人のアーティストは、来年はどうするのでしょうか?
2年目の取り組みに参加して更に腕を磨いたり、ステージの構成に関心が向いたり、ほかの分野にも関わってみようと思ったりするかもしれない。
また、たとえ今年限りで終わってもアーティストとしての体験は、音楽や舞台芸術への関心を高めるに違いないと私は考えます。

これこそが、さまざまな形で文化芸術を好きになる人たちを増やしていくことではないかと思います。
そして、こういった取り組みが文化振興財団という大きな組織だけが担うのではなく、小さくいたるところで生まれているものを財団がフォローし、つなげていくことが、文化の下地を豊かに広げていくと信じています。

アートタウンおゆみ野でも昨年から「空とぶ合唱団」が誕生し、老若男女障害の有無にかかわらずゼロから練習してステージに立っています。
今年は観客でも、来年は演者としてステージに立つワクワク感を味わい、音楽が好きになり、音楽溢れる街にしていきたい。
そんなコンセプトを持っています。

文化を大切に育てていくとはどういうことか、その「方針」と「物や数としては残らないものへの投資」について、コンセンサスを問い直してみてはどうかと思います。


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