福谷章子のまちづくり

さまざまな役割を持ちながら暮らす中で、日々出会い触れ合う人々、街、文化、自然、出来事についてつづります。

バラマキは子どもの特権です

2008年11月06日 | ひとこと言わせて

子どもは、純粋で、シンプルで、残酷で、環境に大きく左右され、変化する存在だ・・・というのが、私の子ども観です。

子どもの世界を観察していると、そこにはシビアな権力関係があり、幼いなりに権力維持の手法を子どもたちは知っています。

最もよく子どもが利用する権力維持手法は「ばらまき」です。

孤立しそうになると、大慌てでポケットからアメを掴み挙げて

「こっちに来た人、いいものあげるよ~!!!」

と、大声で叫ぶというあの場面。

アメをばら撒くことで、かろうじて仲間をひきつけることができるのです。

ところが、この方法が通じるのは、一定の年齢までで、小学校の中学年にもなると、かえって仲間からどんどん見放されてしまいます。

判断力のついた子どもたちは、ひとつのアメなどには翻弄されなくなり、互いの人間性そのものを見極めながら仲間づくりができるようになるからです。

子どもの世界のこんなことを、何ゆえに今頃思い出したかといえば、与党が行おうとしている『定額減税』というバラマキのニュースが、今夜は喧しいからです。

正確には減税でも何でもない、ただのバラマキです。

バラマキは、子どもの世界のごくごく初歩的な権力維持手法、子どもの特権です。

国民を子ども扱いするのは、いい加減にしてくれ・・・と、私は怒りにも似た感情を持て余しています。

2兆円もの血税が、こんな形で還元されることを、果たして国民は望んでいるのでしょうか。

1000歩譲って、仮に望む声が多少なりともあったにしても、受け取らないことを期待するような、つまり、本当に必要なところへの再配分たりえない税の使い方は、許されないと考えます。


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