日曜日の午前中、妻が私に言った。
「ちょっとスーパーに買い物行って来る」
「たまには付き合おうか?」
「遊びじゃないのよ、あちこち回るわよ、いいの?」
引っ込みがつかなくなった。
「いいよ、荷物一つぐらい持つよ」
「その格好で行くの、パジャマで出かけるみたい、ま、いいか」
2階でニャガラの猫缶買って、その袋は私が持って、地下の食材売り場に回る。
牛蒡を買っているのを見て、
「あ、今日はキリタンポ鍋?」
「よく分かるわね」
やっぱり結婚して50年も過ぎると以心伝心。なんとなく分かるのだ。
その後もいろいろ買ってレジへ。妻は迷わずセルフレジへ。品物を翳してピッピッ。
感心して見ていると
「あなた、邪魔になるから向こうで待ってて」
スーパーの買い物も進化している。私一人で買い物に来たら戸惑ってしまう。
スーパーを出て途中で妻が
「あ、コンビニでお菓子買って帰るから先に行ってて」
荷物持ってヨタヨタと帰っていたら途中で妻に追い付かれた。
昔、水戸黄門の主題曲であったな、♬あ〜とからき〜た〜のに追い越され。
「ちょっとその荷物見せて、あら、結構重い、こっちと代えてあげる」
軽い方の荷物になった。
家に着いて玄関を開けたらちょうど昼食に時間になっていた。