複雑

夕方仕事を終えて、待ってたオジサンに餌を与え、猫ハウスにホカロンを入れてやった。
そのあと残っていた雑用を終え、パソコンを覗いてから自宅に向かった。仕事場の玄関を
出て右に曲がれば自宅だが、何となく道に出てこの前オジサンがカニカマ食べてた辺りを
見たら、いました、白い影。冷たい風の中、オジサンが人待ち顔で座っていた。
ホカロン入りの猫ハウスで寝てた方が暖かで幸せだろうにと思いながら声をかけずに
家に帰った。

高齢chichi

白内障でしかも又飛ぶ力が弱くなったchichiはカーテンレールまで直接飛び上がれなくなり
また以前のようにカーテン伝いに登って行く。しかし飛び降りるのは可能で私の肩まで
何とか飛んで来る。しかし飛び方に必死さが見え、肩に体当たりするような感じで飛んで
来る。
しかしよくしたもので、他の雀にもchichiが弱ってるのが分かっているらしく喧嘩をしかけ
なくなった。chichiがカーテン伝いに上がって来る時は他の雀は場所を空けてやるように
少し離れる。（と私には見える）前回飛べなくなった時は、カラがちょっかいをしかけて
カーテンレールから追い落としてたが、カラもchichiには手を出さなくなった。
一度、chichiがカラの籠の側でうたた寝した時は、私達も具合悪くなったのか心配したが
カラも心配そうに（と私には見えた）籠から覗いていた。十数秒後気がついてカーテンレール
まで登って行った。

やられました。

個展のため少しずつ額装開始。額に入れてアトリエ兼猫部屋に置いておくと
額を入れた箱で爪研ぎをやられ去年は被害にあった。今回はそれを避けるため
ビニール袋に入れておいた。
「みゃあみゃあみゃあー」
niniが二階に訴えに上がって来た。
「何？また吐いたの」
下に降りて床、玄関を調べたが綺麗。
「大丈夫、綺麗だよ」
といいながら額縁の入ったビニール袋をみたら「やられた」
ご丁寧にビニール袋の中にゲロしてる。
「外に吐いてくれればまだ良かったのに」
「ビニール袋の中をチェックしているうちに気持ち悪くなったのよ」
額縁を出して拭いて乾かして、泣きべそ。

テレビ

昨年の暮、乗馬フィットネス機器、マッサージチェアと自分のものばかり買った妻が
悪いと思ったのか、私の寝室のテレビをデジタルTVに替えてくれた。画面が大きく
なり画像はほんとに鮮明、女優さんの顔の皺が一つ一つわかる。今まで興味を
示さなかったniniやkikiが時々画面を見ている。しかし、いいことばかりではない。
やたらとチャンネルが多くなった。地上デジタル、BS、CATV、その差がよくわからない
のだがこれらにそれぞれいろいろなチャンネルがあってどれがどれだか。番組表を
見てもごちゃごちゃ。選択肢が多すぎると混乱だけ残される。
パソコンだって、そのソフトだって、携帯だって実際に使っている機能は一割にも
満たないのではなかろうか。
ようやく録画したと思った「プラダを着た悪魔」を見ようとしたらどこでどう操作を
間違えたのか知らないが、録画が消えてしまった。

薬

「お～い、テーブルの上に置いてた藥知らないか」
「知らないわよ。あ、置いたと思って置いてない、惚けの始まり」
「うるさい、あ、カラ、それだめ、返しなさい」
かくしてカラとの追っかけっこが始まる。
カラが出ている時は藥はすぐ飲まないと持って行かれる。

白内障

「chichiが右目具合悪いらしくって開けたり閉じたりしてるの」
「喧嘩でもして痛めたかな」
「あれ、なんか白い」
「あ、ほんとだ。白内障だよ。雀でも白内障になるんだ」
飛んだり食べたりは変わらないが、カーテンレールまで上がるのが
又以前のようにカーテン伝いで上がるようになった。目測が取り難い
のかもしれない。飛ぶのは奇跡的に回復したが白内障は無理かも。
人間みたいに手術って訳にはいかない。
でも逞しく飛び回り、妻の髪の中に潜り込んで休む。

ゴミ出し

明日は正月最初の資源ゴミの日。また言われるに違いない。
「重い，重い」
ガチャガチャ、ガチャガチャ，ガチャガチャ
「手伝おうか」
「いいわよ、普段手伝わないくせして。
　あ～、それにしても重いわ」

浮気現場

夜、手紙をポストに出しに行った。道ばたで餌を食べている猫がいた。
通り過ぎようとして猫と目が合った。
「！！オジサン？」
オジサンがカニカマを食べていた。うちの猫缶食べなくっても痩せない
理由が分かった。浮気現場を見つかったみたいにばつの悪そうな顔をして
オジサンは目をそらした。