さて、日曜日のこと。私は友人の尾車親方と共に、最近発売されて話題沸騰の、”HONDA GREEN MACHINE 003”である「
CR-Z」の試乗へと出かけた。
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試乗の順番待ちの間、展示車を詳細に観察。
写真で見た際には、なにか劇画調というかロボットアニメ調のスタイルのクルマだと思っていたのだが、実物は、なかなかイイ。だが、私見では、’87年リリースの「
2代目CR-X」の方が、優美なラインを持っていて、より美しかったとは思う。ホンダ曰く、このCR-ZはCR-Xの後継ではないとのことだが、全体的なイメージはやはり近い。
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ボンネットには、113PSのエンジンと14PSのモーターが、コンパクトに積載されている。
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スタイリングから想像は付いていたのだが、斜め後方の視界はよろしくない。パーキングには、おそらく慣れが必要だ。また、後席のスペースはあくまでも緊急用か、もしくは犬用であろう。
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外観からは排気マフラーがどこにあるのか分からない。これは、環境に配慮したクルマならではの演出なのかもしれない。
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着目すべきは、そのシューズである。いわゆる「エコタイヤ」ではなく、195/55R16のポテンザを履いている。ここら辺に、「ハイブリッドカーをエコで終わらせない」という、ホンダの主張が垣間見える。
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さて、待つこと十数分。ようやく試乗の順番が巡ってきた。試乗車は「α」(CVT:税込車両本体価格249万8000円)だった。
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いやあ、相変わらずにぎにぎしくも煩雑な、昨今のホンダ流のインパネ。これも、個性だと認めなければいけないのだろうが、私が抱くホンダのイメージとは、若干のズレがある。いや、ホント、このクルマが
フランス車だったなら、「素晴らしいインパネだ!と、私は賛辞を惜しまなかったかもしれないのだが・・・
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だが、空調コントロールはドライバーの手に届きやすい位置にあり、その操作性は素晴らしい。なにか
初代ピアッツァを彷彿とさせる配置である。
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インパネの右側には、「SPORT」「NORMAL」「ECON」の3つの走りのテイストを選択できる「3モードドライブシステム」のスイッチがある。スバルでいえば「
SI-DRIVE」のようなものだといえよう。これは、エンジン・変速制御・電動パワステ・エアコンを連携させ、走りの特性を選択できるという。ちょい乗りにおいては、CVTの変速制御については明快に感じられたが、電動パワステまで制御されていたとは気づかなかった。うちに帰ってカタログを見てから、「おおっ!そうだったのか!」と理解した次第である。
さて、このCR-Zだが、その走りはなかなか面白い。エンジンはほとんど休止することなく、ハイブリッド・カー的な静粛性には欠けると思うが、そのパワーフィールも、ステアリングフィールも、全体にダイレクト感があって、運転して楽しいクルマだ。
インサイトも走らせると面白いクルマだが、このCR-Zは、それ以上にドライビングプレジャーが楽しめる。
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CVTのシフトレバーも、手になじむような凝ったデザインだ。やや、デザイン過剰なきらいはあるとはいえ・・・
このクルマにはMTも用意されているのだが、残念ながらその試乗車は、札幌市内では見つけることができなかった。実は、いろいろ試して見たかったのだが・・・たとえば、エンストさせてしまったとしてもモーターがアシストして発進してくれるのかどうかとか、6速発進もモーターアシストで可能なのかどうかとか・・・
CVT車を運転しての私の率直な感想は、「このクルマだったら、MTで乗りたいな!」だった。きっとその方が、より面白いと思う。
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「エクストラウインドウ」のおかげで、真後ろの視界は最低限は確保されている。だが、前述したとおり、斜め後方は死角が多く、パーキングはやりづらい。
とはいえ、このCR-Z。ハイブリッド・カーということ以上に、運転して楽しいクルマであった。実用性に欠ける部分も多いので、あんまり台数が出るとは思えないが、このクルマをリリースするという英断を下したホンダには、あらためて感謝したい。