Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

§128「〈文化〉を捉え直す」渡辺靖, 2015.

2021-09-19 | Book Reviews
 長男が志望する大学における入学前育成プログラムの推薦図書の一つ。「異文化理解」、「多文化世界」、「人びとのアジア」に続く四冊目です。

 国際社会における脅威や現代社会における矛盾と相剋に関する要因として、西欧化から近代化を経てグローバル化に至るまでの単一な価値観がもたらしてきたことを示唆しているような気がします。
 
「境界線に囚われた中身そのものよりも、まずはそこに境界線が引かれていることの意味を問う。中身の『善し悪し』や『好き嫌い』そのものよりも、線引きの背後にある意図や力学、基準をまず問うのである」(p.162)

 知らず知らずに、事象や物事を理解するために境界線を引いているのかも知れません。そして、境界線に囲まれた事象や物事について、いつの間にか偏見や羨望、不安や期待といった固定観念として理解しようとしているのかも知れません。

 ひょっとしたら、海の向こうの遠い国で起きていることや、目の前で起きていることのいづれにも当てはまるような気がします。

初稿 2021/09/19
写真 国立科学博物館
撮影 2018/11/03(東京・上野)
発行 2015/11/20 岩波新書(新赤版)1573

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ∫41「東京 建築 十選」〈庁舎... | トップ | §129「目の見えない人は世界... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿