Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

§139「勝っても負けても 41歳からの哲学」 池田晶子, 2005.

2022-02-07 | Book Reviews
 2004年から「週間新潮」に連載されていたコラムを集めた「41歳からの哲学(§138)」の続編です。

 二十五年ほど社会人として過ごしてきた「自分」にとって、当たり前と思われている物事をあらためて考えさせてくれるきっかけを与えてくれる気がします。

「変わってゆく時代に追い付いて変わってゆかなければ置いてゆかれるという脅迫観念で、みんな必死だ。けれども、たまにはちょっとは落ち着いて考えてみるのもいいものだ」(p.9)

 どんなに速く動いても、どんなに見える景色が変わっても、どこから見ても美しい円弧を描いてみせてくれる虹に出会うことがあります。

 その虹の足もとにはたどり着くことはできないまでも、写り変わる景色に執着することなく、その虹の姿をちゃんと見つめ続けることができれば、どんなにか自由になれるのかもしれません。

「本当の自由とは、『自分からの』自由である。自分が誰かであることを、何かに求めることをやめることだ」(43頁)

初稿 2022/02/07
写真 新幹線の車窓から
撮影 2020/07/26(大阪・茨木辺り)
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