Liner Notes

観たこと、聴いたこと、読んだことを忘れないように印象に残った光景を栞として綴ってみました

§15「危機管理のノウハウ」 佐々淳行, 1984.

2013-06-06 | Book Reviews
 よきにつけ、あしきにつけ、人にとって特筆すべき能力のひとつは忘れることが出来ることなのかもしれません。あとになって、いつまでも過去の苦しみや悩みを常に思いだして考え続けてしまうことは、とても身も体ももたないからいわば自浄作用なのでしょうか。

 一方で、過去の失敗経験や歴史を紐解けば、幾度も繰り返すことも人にとって特筆すべき能力のひとつなのかもしれません。

 とはいえ、すべてを忘れ去る必要はなく、すべてを思い起こす必要もなく、大事なことは栞(インデックス)をつけることのような気がします。

 責任や権限がないのに外から口をはさむことを「Double Eagle」、相手を見くびり小手先で対応することを「Piecemeal Attack」と呼ぶそうです。

 やってはならない、べからず集ではないのですが、問題の本質を端的に捉える言葉の数々は、読んで納得するだけでなく、自らが置かれた状況で実践してみてはじめて言葉が意味を持ち、自らに意味を与えてくれると思います。

 志(こころざし)や心構えだけを身に付けても、固執や執着に繋がりかねず、護る術を身に付けなければ何も護れないような気がします。

初稿 2013/06/06
校正 2021/03/13
写真 旧因州池田屋敷表門
撮影 2012/08/24(東京・上野公園)
コメント
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