気ままなひとこと

折々にふれ、思いつくままに、気ままに書き留めるBLOG

電子書籍&印刷本

2015-01-23 13:23:54 | 読書
電子書籍のキンドルを購入したのは一昨年6月でした。1年以上使ってみて、印刷物との違いが分かってきました。しばらく前に新聞で見た記事に、「本は所有するものから、体験するもの」に変わりつつあるという論評がありましたが、電子書籍は正にこの潮流そのものであり、体験型だと思います。体験環境として、文字フォントやサイズを視覚的に見易いものに選択出来るということは何よりのメリットです。分からない言葉を指一本で辞書検索出来ることも便利。

しかし一方で、物理的に見られない・触れないという点では、どうしても印刷された本に及ばない面もあります。「本」というものは、これまで当たり前でしたが、机に置けば表紙が見える、本棚に立てかけても背表紙で題名が分かる、読みかけの本を開けば、どの位読んだか、残りがどの位かが視覚的に分かります。読むという体験の前でも後でも、常に本を所有しているという感覚も印刷本の楽しみの一つということに、電子書籍と比較して初めて気付きました。キンドルの中に内蔵されているものは、あくまでコンテンツであり、本を持っているという気分にはなれません。

というわけで、それぞれの特徴を理解して、本によって使い分けて(読み分けて?)読書を楽しんでいます。この1年で読んだものを振り返ってみると:

キンドルで読んだ主要電子書籍:
印刷活字サイズが小さく読み難い古典もの:クリスマス・キャロル、ロビンソンクルーソー漂流記、ガリバー旅行記、黒田如水(吉川英治)など著作権の切れたものは、無料または安価で読めます。
ボリュームが膨大なもの:聖書(旧約、新約)を車内で読めるとはデジタル化のおかげ様様。
本棚を整理して電子版に替えたもの:三浦綾子の著作は全てデジタル化されたので、少しずつ。

家族や友人達と回し読みしたいものは印刷本:
みをつくし料理帖シリーズ(高田郁)、ニューヨークの魔法シリーズ(岡田光世)、守り人シリーズ(上橋奈穂子)、炎立つ全5巻(高橋克彦)
読後も本棚に残しておきたいもの:イタリアやフィレンツェに関するもの
電子化されていないもの:フリードリッヒ二世(塩野七生)、イタリアものなど。

そんな中で、デジタルと印刷本の両方を読んで比較したものがあります。「物語・イタリアの歴史」(藤沢道郎著)のI(印刷本)とII(デジタル)です。同じ中公新書ですが、Iは大分前に印刷本で読んでいたのですが、IIを読もうとした時に、同じシリーズなら比較しやすいだろうと思ってデジタルにしました。
夫々の表紙

1ページの比較

部分的に比較したもの
デジタルでの文字フォントはゴシック体で、サイズは8段階の中で大きいほうから4番目です。見やすさと1ページの収まるコンテンツ量のバランスの観点から、この設定にしています。

コンテンツとして読み易いのはデジタル、本として本棚に所有する満足感は印刷本ですね。選択肢が広がることは本当に有難いこと、ことに視力の老化を感じている身としては(苦笑)。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿