今朝も雨音で目が覚めました。
今日は私が主宰する劇団芝居屋第十五回公演「ワッショイ!」のモデルになった東京品川の荏原神社の例祭の本番の日です。
カッパ祭りの通称で知られるこの祭りは、梅雨時に開催する事もあって開催の二日共が晴れるという事は稀です。
今年の例祭も其のジンクスは見事に当りました。雨です。
これでは子供の参加する神輿や山車は中止になり、大人神輿の宮入だけです。
なんとも気勢が上がりませんが何とか頑張らねば。
さて「資質」の其の二です。
先に役者の「資質」の第一条件に「しつこさ」を挙げました。そしてしつこさを生み出すためには、その事が「好き」でなければならない事もあげました。
昔から言われる「好きこそ物の上手なれ」です。
その好きである感情にもう一つ「必要」というものが加われば「しつこさ」はより強固なものになります。
役者という人種は、自分を前面に出す芸人と違って人間関係に特殊な感情を持っている人が少なくありません。例えば極端な人見知りとか、人との距離感を持てない人とかということです。
普通の生活の中では変わり者として世の中の隅から上目がちに周りを見ている様な人です。
でも或る日そんな人が何らかのきっかけで芝居と出合ったのです。
それで「自分もやりたい」と思ったのです。そして勇気を振り絞り芝居と関わります。
そこがどの様な場所であれ「稽古場」という所に足を踏み入れます。
そこで最初に要求される事は「声」を出すことです。人との距離を測りかねているその様な人は日常の中で大きな声を出した事はありません。どんな人でも初心者は最初から要求される声が出るものではありません。
しかし出すことを強要されます。ここに挫折の第一関門があります。
そこを突破してその努力続けているうちに、日常では出したことのない様な声が出るのです。そして出した場所は「稽古場」です。それを契機に序々に日常ではできない事が「稽古場」では私はできる、という自信が生まれてきます。その感情はその人の中でふくらみ、閉塞していた感性を解き放ち、稽古場イコール表現の場という図式が生まれて来るのです。
そして閉塞した日常の中で閉じ込められた感情を発散する場として表現(芝居)の場がその人には必要なものになっていくのです。
長く演劇生活をしている人はこの「好き」と「必要」を両方もっているのです。それがやり続ける「しつこさ」を生み出すのです。
次回は「資質・其の三」を書きます。
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