劇団芝居屋第37回公演「スマイルマミー・アゲイン」物語紹介第八場

まあ、いろいろありましたが、また新しい朝が参りました。


三郎　「オハヨウさん」
恭子　「あら、三郎さんどうしたの」
三郎　「いや、ジャイアンを迎えにな」
恭子　「そうなの。由美さんならそろそろ来るわよ」
三郎　「いや、そういうんじゃねえよ」
恭子　「ああ、そうなの。朝のコーヒーどうぞ」
三郎　「ゴチになりやす」
剛史　「ゴッチャンでーす」
恭子　「ジャイアン、今日はどうしたの、こんなに早く」
剛史　「えっ・・へへ・・実は公演のチラシができたのでお知らせと思って」
　　　　　「通りゃんせ」
　　　　　恭子や三郎にチラシを手渡す剛史。
剛史　「よろしくお願いしまーす」
恭子　「ああ、出来たんだ、チラシ」
三郎　「芝居の公演か。どんな内容よ」
剛史　「内容はですね・・・」
　　　　　由美が戸口に現れる
由美　「おはようござい・・・あら、サブちゃん」
恭子　「オハヨウゴザイマス」
三郎　「ああ、ハハ、由美さん、オハヨウ」
剛史　「あの・・」
三郎　「ねえ、君江ちゃんどうしてる」
恭子　「聞いてないわよ」
由美　「ええ、元気に保育園に行きました」
三郎　「ああ、そう。そいつはよかった」


孝雄　「すいません、遅くなりました」
恭子　「あら、遅刻かな」
孝雄　「すいません、すいません
　　　　　孝雄、用具置き場へ走る。
範子　「大慌てね」
恭子　「孝雄君は誰かさんと違って遅刻になれてないからね」
剛史　「えっ、俺？」
恭子　「他に誰がいるの」
三郎　「だから、俺が迎えに来たんだよ」
由美　「そう、ワタシは関係なかったのか」
三郎　「えっ！いや、ある。あるよ、関係あります」


範子　「さて、始めましょうか」
　　　　　範子所定の場所へ。
　　　　　何時もの様に並ぶスタッフ。
　　　　　隅に引く三郎。
範子　「ホラ、折角ここに来たんだから、サブちゃんも並ぶ」
三郎　「ソウスカ、それじゃ失礼して」
　　　　　三郎、由美の隣に並ぶ。
範子　「みなさん、お早うございます
一同　「お早うございます」


範子　「さて、今日はちょっと忙しいかもしれませんけど張り切って行きましょうね。えーと、スケジュールを確認します。では恭子からお願い」
恭子　「ハイ。わたしは今日、午前中に共栄マンションの吉田さんと二丁目の村井さんのお宅の家事代行をします。それから木下電機社員寮の洗濯代行で、その後北町会会館の清掃。夕方からは個人的な引越しの残りをやります。以上」
範子　「はい、よろしくお願いします。では孝雄君」
孝雄　「はい。僕は今日、老人センター福寿園の芝生の手入れと三丁目の町田さんの所のパソコンの具点検依頼。午後は黒田さんの所の犬の散歩。それから佐々木さんの所のエアコンと換気扇の掃除です。以上」
範子　「よろしくお願いします。じゃ、由美さん」
由美　「はい。ええと、午前中は吉崎さんの所の食事作りと午後は鳥越のお爺ちゃんの所の家事代行です。午後は北島マンションの清掃です。以上」
範子　「はい、よろしく。ハイ、ジャイアン」
剛史　「ハイ、僕は但馬建設の建築現場です。以上」
範子　「ハイ、よろしく。ああ、ジャイアンとこの劇団の公演があるそうです。時間のある方は観に行ってください」
孝雄　「ああ、チラシできたの」
剛史　「ええ、よろしくお願いします」
範子　「ハイ。サブちゃん、」
三郎　「えっ、俺も」
範子　「折角来たんだから」
三郎　「へへ・・ええ、便利屋三郎でございます。本日はジャイアンと一緒の但馬建設の現場です。よろしくお願いします」
範子　「ハイ、よろしく。で、わたしは午前中に六丁目の田中さんの所の家事代行です。その後は営業で回ろうと思ってます。特に東海マンションの豊川商事の社員寮の代行業務をなんとしても今日はモノにするつもりです。以上。じゃ、行くわよ。便利屋スマイルマミーは献身と誠実さであなたの暮らしをお助けします。ハイ」
一同　「便利屋スマイルマミーは献身と誠実さであなたの暮らしをお助けします」
範子　「ハイ、では今日もみんなでガンバリマショウ」
一同　「ガンバリマショウ」

こうして便利屋「スマイルマミー」の新しい一日が始まるのでありました。
メデタシメデタシ。
劇団芝居屋第37回公演「スマイルマミー・アゲイン」全編の終わりでございます。


次回劇団芝居屋第38回公演は11月27日から12月1日まで中野ザ・ポケットにて執り行います。


よろしくお願いいたします！
撮影鏡田伸幸