序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

劇団芝居屋第38回公演「美代松物語」物語紹介7

2019-12-18 15:24:05 | 舞台写真
第7場
寛十と寛治が美千代との関係を秘密にすると決めた日の夜。
美代松に圭介の父富田圭吾が現れる。
今は割烹チエーン店「網元富田」の社長という成功者であるが、元は老松の板場で花板として活躍していた過去を持つ。


圭吾が美千代に会いに来たのは、この界隈の最近の動向が気になったからであった。
本来なら老松の後ろ盾でるべき大栄産業によくない噂があるというのだ。
その動きが観光振興事業案が市議会にかけられた頃から活発になり、不穏な動きが見られるというのだ。
それを察知した圭吾は老松を守るための行動を起こす為に情報を取りに来たのだ。


その事を聞かれた美千代は昨夜の貞二と寛治の一件を話す。


権藤金融の寛治が来たことに異常な関心を寄せる圭吾は、寛治の来訪の意図を探ろうとするが、それは美千代にも分からない事であった。


しかし、大栄産業が吉野会長から息子康幸に権力の移譲が始まっていて、会長が引退する日も近いという情報を得ていた圭吾は胸騒ぎを感じていた。
しかも息子の康幸が現代的な合理主義者で義理人情に縛られない非情な一面を持ち世間からは良い噂を聞かない人間である事も把握していた。


そこへ、仕事を終えた老松の大吉とスエが来る。
久しぶりの再会を喜びあう圭吾と大吉であったが、スエは圭吾との同席を快く思うどころか、数々の嫌味を言う。


スエは過去の女将と圭吾の噂を鵜呑みにして圭吾を嫌悪していた。
圭吾に会った事で、老松の仕事の不振や女将の強がりにいら立っていたスエは大吉に取って言ってはならない事を言ってしまう。


美千代ちゃん、知ってるかい。そちらにいる社長さんは若い
頃ウチの花板でね、女将さんとは恋仲だったんだ」
美千代 「エッ!」
スエ 「ところが急に女将さんを捨てて姿をくらましたヒド
イ男なんだよ」
大吉 「おい、やめねえか!」
スエ 「本当の事じゃないか。だから今でも女将さんはその
お方の事を許しちゃいないんだよ」
大吉 「バカヤロウ!何も知らねえくせに余計な事をいうん
じゃねえ!」

スエが去った後、圭吾は老松の現状を大吉に訊ねる。
大吉は時江が人の保証人になって借金を被ってしまった事、その債権が権藤金融に渡った事などを話、その救済を大栄産業の吉野会長が請け負ってくれた事を話す。
権藤金融・・・大栄産業
すると圭吾の顔色が変わり、大栄産業の企みを察知する。


圭吾は貞二夫婦や橋南青年部の協力を得て橋南地区での権藤金融と大栄産業の動きを監視することにするのである。

第8場へと続く
撮影鏡田伸幸


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