1962年製作のエースのジョー主演のカラー作品
もう「稼業」シリーズとか主演作も撮りこの62年というとエースのジョーはニューダイアモンドラインの一人として活躍されてた時代ですよね
まぁ劇中でも一応自らとその他から“ジョー”とだけ呼ばれる存在
本名っていうか役名としては一応神原丈二と韓国から密入国っていうか密帰国して警察署で大いばりで日本人だって言ってる時にちょっと出てくるだけで後は全員最初から最後までジョーで通してる作品

ってことで韓国から密入国ならぬ密帰国してって書いたのは
このジョーさん実は下田の漁師でなんと韓国に拿捕されてて、韓国の収容所から金子信雄ともう一人とで脱出を決行し土壇場でネコさんに裏切られてもう一人に深傷を負わせジョーを置いて自分の船と共に一人で日本に逃げてしまい
深傷の男と韓国女性に助けられるものの深傷は死に、そのまま韓国で韓国人に化けて三年暮らし金を貯めて数人の男女と共に密帰国した途端に警察に・・・
後はお決まりのネコさんへの復讐劇でして
エースのジョーに二谷さんの代わりになんととっぽい深江章喜さんがご登場ですが正体バレバレ
まぁ松原智恵子さんがジョーを助ける韓国人と日本人とのハーフとして
置いて行かれた日本人の母親を探して一緒に密入国してきてる
その母親に奈良岡朋子ともう俳優さんが顔出しただけで誰がどんな関係かが知れてしまうという底の浅い映画ですが
せっかくの宍戸錠さんの主演映画にして劇中でジョーと言わせて、かつタイトルに「早射ち」ってついてる割にはいつものっていうか展開は「稼業」シリーズとは違ってジョーさんの敵討ちって言う内容でしたので
軽妙エースのジョー自体ナリを潜めた結果
映画自体にリズム感が失われて実にテンポの悪い作品に仕上がっていましたねぇ
この半年後和田浩二さんで「抜き射ち三四郎」って言う作品も作られているのですがシリーズ化にはならなかったようですね
まぁ先が全て読めてしまう作品でテンポも悪いんですが見てる間は退屈はしませんでした
作品としてジョーさんの軽妙さを引き出せていなかった作品
いつもはワルしか演ら無い深江章喜さんもナイスキャスティングではあるんですが生かし切れてなかったし
実に勿体ない作品だったかな彼の今後の道がワル一本に決定してしまった作品と言っても仕方ないのかなぁ
1962年製作、日本映画、日活作品
小杉勇監督作品
出演:宍戸錠、松原智恵子、金子信雄、平田大三郎、深江章喜、奈良岡朋子、藤村有弘、中台祥浩、河上信夫、藤岡重慶、岡本=柴田新三、伊豆見雄、二階堂郁夫、榎木兵衛、川村昌之倉田栄三、金井克予、興梠佐智子、晴海勇三、ジョージ・吉村