特上カルビの記のみ気のまま

韓国語教育を韓国の大学院で専攻した30代日本人男性が、韓国ソウルでの試行錯誤の日々を綴りました.

原稿〆切時間との闘い

2005-05-13 23:49:00 | 韓国留学記
 晴れ。最低気温10.1度。最高気温23.3度。

 本当はいけないのだが、朝起きて、朝食も摂らずに抗うつ薬を口に放り込む。
 
 私の母教会の週報『泉のほとり』に掲載する『ソウルだより』を書くためだ
 先週の土曜日(5/7)からメールで原稿依頼が来ていたものだ。

 今度の日曜日(5/15)はペンテコステ(Pentecoste)で聖霊降臨とも呼ばれる教会の祝日に当たる。そこで、ペンテコステに絡めた原稿を書いて欲しいとの由。私には、とてもそんな芸当は出来ないので、今朝まで原稿を書くのを正直ためらっていた。しかし、このまま週報に“穴”をあけるわけにも行かない。締め切り時間も迫っている
 良いアイデアも浮かばず、とりあえず聖書の使徒言行録の2章にあるペンテコステの出来事が記された箇所を読む。それから祈って、パソコンに向かった。

 九時前から書き始め、書きあがったのが午後十二時五十分。すぐに原稿をメールで教会へ送った。
 教会に電話を入れると、電話口に編集担当のUさんが出られ「待っていました!」と一言。どうやら、私の原稿をずっと待って下さっていたようだ

 手前味噌で何とも恥ずかしいが五月十五日に掲載される『ソウルだより』を一足お先に公開。
 別に大した内容ではありません

 『ソウルだより』
 
 品川教会の皆さんお元気ですか?
 また、本日初めて品川教会の礼拝にお越し下さった方々を心から歓迎致します。
 私は今、韓国のソウルにいますが、このような形で皆さんとともに、ペンテコステの礼拝に集えることを主の聖名によって感謝します。

 浅はかな私は、ペンテコステの出来事が記された使徒言行録の2章を読むたびに思います。私の上にも天から炎のような舌が現れてくれたらどんなに良いか。そうすれば韓国語や英語で苦労しなくて済むのにと。でも、きっとこんな利己主義的な考えをしているうちは、聖霊によって満たされそうにありません。
 ところで、ペンテコステの出来事に限らず、聖書の中には私たちには到底理解できないような出来事が数多く記されています。そんな箇所だけを聞きかじって「聖書はくだらない」とか、「キリスト教は信じるに値しない」などという方がいらっしゃいます。しかし、そんな方から実際お話しを伺うと、聖書をきちんと読んだことがなく、教会に足を運んだ経験も全く無いという場合がほとんどです。とても残念でなりません。

 外国に長く暮らしていると、その国や、そこで暮らしている人々のことについて頭ごなしに批判をすることは少なくなると思います。私もソウルで暮らすようになって、韓国や韓国の人たちについて、日本や日本人との違いを“比較”することはあっても一方的に“批判”することは少なくなったような気がします。何故なら韓国が置かれている状況や韓国の人たちの事情を“肌で”理解しているからです。

 最近、日韓関係が以前のような盛り上がりを欠いているようです。マスコミの特性と言ってしまえばそれまでですが、日韓両国のマスコミは、互いの国民感情を逆なでするような場面や記事ばかりを報道しています。それを鵜呑みにした国民は冷静さを失い、感情的な行動に走ります。今やインターネット上には、お互いの国を誹謗中傷する文字が溢れています。最近、日本のインターネット上で「韓流」ではなく「寒流」という言葉を目にしました。
 そんな誹謗中傷を繰り広げている日本人の多くが、韓国や韓国の人々についての詳しい知識を持ち得ていないのが実情ではないでしょうか。また、韓国の人たちについても同様なことが言えます。

 私は最近、ソウルの街を歩いていて、日本人という理由で不愉快な思いを経験したり、身の危険を感じたことはありません。また、周りの韓国の人たちも以前と全く変わりなく接してくれています。
 何事も頭ごなしに批判や否定をする前に、まず相手を知る努力を怠って欲しくはないと切に思います。

 週報の原稿は字数制限もあり、短か過ぎても長すぎてもいけないので、かなり気を遣う。長い文章を書くのは簡単だが、限られた字数に収めるのは毎度のことながら難しい。今回もこれだけの原稿を書くのにかなり苦労した。それでも、外国にいながらこうやって自分の教会のために役立てるというのは、何ものにも勝る喜びである。

 原稿を送り、肩の荷が下りたところでお昼を食べに延世(ヨンセ)大学へ出かけた。明日(5/14)の創立120周年の開校記念日を前に、キャンパス内では様々なイベントが行われていた。一般の講義は休講なのだろう。少し遅い時間に行ったせいもあるだろうが、学食は普段より閑散としていた。

 写真は延世(ヨンセ)大学の正門。創立120周年記念の看板が建てられている。看板には『慶祝 延世大学創立120周年』と書いてある(バイクのおじさんに「写真撮りたいので、どいていただけませんか?」と言ったら、思いっきり睨まれた)。