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「ナイフをひねれば」 アンソニー・ホロヴィッツ

2024年05月15日 | 読書
「ナイフをひねれば」 アンソニー・ホロヴィッツ  創元推理文庫  
 THE TWIST OF A KNIFE         山田蘭・訳

アンソニー・ホロヴィッツはダニエル・ホーソーンの殺人事件調査に同行して事件を記録した本を書いていた。
しかし、3冊目で終わるにすると告げる。
その翌週、ホロヴィッツが書いた戯曲『マインドゲーム』がヴォードヴィル劇場で上演された。
地方公演でいい感触をつかんでのロンドンのウェスト・エンドでの公演だった。
その初日が終わってのパーティーの時、普通は参加しない劇評家が顔を見せる。
それはハリエット・スロスビーで辛辣な批判で評判だった。
ハリエットは何人かと言葉を交わし、直ぐにいなくなる。
ホロヴィッツたちは場所を変え、劇場の楽屋で飲んでいる時に、俳優のスカイ・パーマーが劇評をネットで見つける。
それはハリエット・スロスビーが書いたもので、悪意を持って『マインドゲーム』を酷評していた。
それぞれ悪く書かれているが、1番酷く書かれていたのは、アンソニー・ホロヴィッツの脚本だった。
俳優のジョーダン・ウィリアムズは激怒して、「殺してやる」と言ってケーキに短刀を突き刺したほどだった。
その短刀は、初日の祝いに、プロデューサーのアフメト・ユルダクルが関係者に贈ったものだった。
次の日、ホロヴィッツの元にグランショー警部が訪ねて来る。
ハリエット・スロスビーが自宅で刺殺され、その凶器の短刀がホロヴィッツの物だと言うのだ。
拘留されたホロヴィッツは、ホーソーンに助けを求める。






3人芝居の舞台で、凶器のナイフは楽屋にあったことから容疑者は7人に絞られる。
俳優のジョーダン・ウィリアムズ、スカイ・パーマー、チリアン・カーク。
プロデューサーのアフメト・ユルダクルとそのアシスタントのモーリーン・ベイツ。
演出家のユアン・ロイド。
そして、アフメトの会計士マーティン・ロングハースト。
それぞれに話を聞き、ホーソーンは犯人を割り出していく。
重要だったのは、ハリエット・スロスビーの過去。
分かるほどに殺されて当然の人物だったのだと思ってしまうのが、怖い。
殺されて良い人間なんていないと思いたいから。
だから、犯人が分かった時は同情してしまう。
あんな人生を送らなければならなかったなんて。
しかし、ホロヴィッツに罪をなすり付けるような事を何故したのだろうと思っていたら、それも納得だった。
犯人は誰かと言う謎解きもあるが、ホーソーンとのやり取りや、その過程が面白い。
ホーソーンとホロヴィッツの関係も相変わらずだが、付き合いが長くなるとやはり変わってくるようだ。
それとなく親密さが出て来ているのが面白い。
結局、助けて貰った事で、コンビ復活となる。
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