しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「監禁」 ジェフリー・ディーヴァ― 

2008年05月28日 | 読書
「監禁」 ジェフリー・ディーヴァ―    ハヤカワ・ミステリ文庫
 Speaking in Tongues       大倉貴子・訳
水曜日、17歳のミーガン・マコールはセラピーに訪れた診療所で誘拐される。
セラピストに扮していたジェームズ・ピーターズという名の男は、<松蔭教会カテドラル・イン・ザ・パインズ>のアーロン・マシューズという牧師だった。
アーロンはミーガンを朽ちかけた教会に連れて行き監禁する。
ミーガンを生贄にするという目的を達するのは聖金曜日。
ミーガンの父親、弁護士のテイト・コリアと母親のベット・マコールは15年前に離婚していたが、突然行方不明になった娘を協力して探し始める。
テイトの友人で州警察の刑事、コンスタンチナチス(コニ―)や、ミーガンの元恋人のボビー・カースンやジョシュア・ラフィーヴァーも協力する。
情報を収集する彼らの近くに、ア―ロンは姿を偽り近づいて行く。



ジェフリー・ディーヴァ―には頭が良い人物が登場するが、今回もそう。
特に言葉を巧みに操る2人がいる。アーロンは宗教家、テイトは弁護士。
確かに、ともに言葉を操る職業だ。
それによって引き起こされたことが、この物語の重要な要素になっているところも興味深い。
そして、ラストの2人のやり取りもやはり言葉の解釈に掛かっていた。
言葉は怖い。目に見えない凶器。
それは普段から感じる時はあるけれど、それを研ぎ澄まして武器にしてしまった。

そして、始めから犯人は分かっていて、その犯人のアーロンがかなり尋常でなく残酷な人物なのが、別の意味で凄い。映画ものような残酷さ。
しかし、目的達成の為になんだか遠回りしている。
その為にまた被害者が増えていく。
それが、ちょっと横道にそれた余分な展開のように感じられる。
でも、それがないとあっさりと終わってしまうからなのだろう。
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