しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「本と鍵の季節」 米澤穂信 

2021年07月13日 | 読書
「本と鍵の季節」 米澤穂信  集英社  

6編からなる連作短編集。
堀川次郎と松倉詩門(しもん)は高校2年生の図書委員。
3年生の図書委員が、図書室を遊び場にしたので、他の生徒が来なくなったのか、誰も来ないから遊び場にしたのか。
その3年生が引退して、利用者がほとんどいない静かな図書室にいる2人。
そんな2人に問題が持ち込まれる。
堀川の1人称で書かれる物語。

「913」
引退した図書委員の浦上麻里が訪ねて来る。
亡くなった祖父の金庫の番号を探り当てて欲しいと。
前に、江戸川乱歩の暗号を解いた事があったからだった。
次の日曜日、2人で浦上家を訪ねるが、何だか松倉の態度がいつもと違う。

「ロックオンロッカー」
お友人紹介割引に誘われて、僕の行きつけの美容院に松倉と一緒に行くことになる。
そこの店長の態度から、松倉はある事に気が付く。
 
「金曜に彼は何をしたのか」
後輩の図書委員、上田登から、試験用紙を盗んだと疑われている兄、昇のアリバイをはっきりさせて欲しいと頼まれる。
兄は証拠があるから大丈夫と言うが、心配なのだという。

「ない本」
3年生の香田が自殺する。
香田の友人だと名乗る長谷川が、香田が遺書を本に挟んだのを見たから、その本を探して欲しいとやって来る。
図書館の本らしいから、と。
やがて、2人は長谷川の嘘を見破るが、嘘の理由を全く違う解釈をする。

「昔話を聞かせておくれよ」
図書室にいて、する事がなく退屈した2人はそれぞれ昔話をする事になる。
本当の昔話でもよかったが、それぞれ、過去の自分たちに関わる事を話す。
そして、松倉の父親が亡くなる前に隠した金を探すことになる。

「友よ知るなかれ」
前作のたから探しの真相を堀川は知る。
松倉の父親の本当の素性を。





謎解きの物語。
タイトルからもっと本に関わる話かと思えば、「913」くらい。
「ない本」は本の話より、心理的な面が強い話。
高校生2人が主人公の物語なのだが、読んでいて2人が中学生に思えてしまった。
読みながら、違う高校生だと頭の中で訂正するのだが。
やはり、高校生にしては少し幼い感じが全般にあった。
謎解きも話も、ちょっとあり得ないと思ったものや、大事なのに、それでいいのかと思ったり。
何となくピンと来ない違和感。
ちょっと中途半端な感じ。
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