しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「逃亡刑事」  中山七里 

2020年10月24日 | 読書
「逃亡刑事」  中山七里   PHP研究所   

千葉県警組織犯罪対策部のエリート刑事、生田忠幸巡査部長が撃たれて死亡する。
現場は閉店したカーディラーのショールームの中。
捜査一課の高頭冴子警部の班が担当となる。
高取は〈千葉県警のアマゾネス〉と呼ばれていた。
高頭は、生田の上司、玄葉昭一郎課長に生田の追っていた事件の事を聞きに行くが、情報は得られなかった。
ならばと、警察の対局のヤクザの宏龍会と接触。
渉外担当の山崎と会い、生田が追っていたかも知れない麻薬の供給ルートに付いて知る。
やがて、この事件の目撃者が発見される。
それは養護施設から入院している母親に会うために夜中に脱走した、8歳の少年、御堂猛だった。
始めに猛に面会した高頭は、猛の目撃が本物だと確信。
撃った犯人の顔もはっきり見たと言うが、似顔絵にするのは成功しなかった。
しかし、猛は警察署の中で怯えた顔を見せ、犯人を指摘する。
犯人が分かった高頭だったが、反対に罠に掛けられる。
生田殺しの容疑者として追われる事になり、証人の猛と逃亡する。







前半の展開は面白かった。
思わぬ目撃者に、思わぬ犯人。
それが分かった時、それからの展開が楽しみになる。
刑事殺しの犯人を、警察を離れてどう追い詰めて行くのか。
犯人の方はどう冴子を追い詰めて行くのか。
もっと頭脳戦になるのかと思ったら、力比べのような暴力合戦。
特に大阪に行ってからの冴子は隠れていることだけ。
守って貰う事が多く、自分では何の解決方法を取る事もなかった。
何か策略を持って追い詰めて行くのかと思っていたので、物足りない。
そして、警察署からの脱出劇も、驚く。
あり得ないだろうと、痛快ではなく呆れる。
テレビドラマではあるかも知れないが、現実味がない。
高頭刑事の優秀さはあまり見つからず。
あっさり証拠物件を奪われてしまったのもどうかと思う。
それにしたも相手の動きがやけに早く、どうして情報を得ているのだろうと思っていた。
最後に高頭がたどり着いた結論に納得。
それにしても本当に大阪の人たちは警察がそんなに嫌いなのだろうか。
冴子と猛の関係は面白く読めた。

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