しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「まるで天使のような」  マーガレット・ミラー 

2016年05月18日 | 読書
「まるで天使のような」  マーガレット・ミラー   ハヤカワ・ミステリ文庫  
 HOW LIKE AN ANGEL      菊池光・訳

私立探偵ジョウ・クインは、リノ(ネバダ州)のカジノで金を失った帰り道、ザ・タワーにたどり着く。
そこはカリフォルニアの山の中にある、27人が自給自足の共同生活をする集団。
大師がいて、シスタとブラザーが<天国の塔>での信仰生活をしていた。
そこで1泊したクインは翌日、目的地のサン・フェリスまで車に乗せてもらう。
その時、クインは世話をしてくれた、祝福尼(シスタ・ブレッシング・オブ・ザ・サルヴェイション)にある事を頼まれ金をもらう。
それは、チコーティと言う町のパトリック・オゥゴーマンと言う男見つけ様子を知らせる事だった。
しかし、オゥゴーマンは5年前に死んでいた。
嵐の夜に車で仕事場に向かう途中で行方不明になり、2日後に川に落ちた車だけが発見される。
オゥゴーマンは発見されないままで、真相は分からなかった。
しかし、車に血痕があったことから、ヒッチハイカーの殺されたという説が取られた。
クインはその事をオゥゴーマンの妻マーサと新聞社のジョン・ロンダから聞く。
ジョン・ロンダから段ボール箱2つ分の資料を借りて泊まっているモーテルに持って行く。
そして夕食に出掛けている間に、だれかが部屋に侵入して資料を探った事を知る。
クインがオゥゴーマンを調べ始めた事で、なにかが動き出したようだ。








過去を探る物語。
クインにとっては全くのゼロからのスタート。
探偵が仕事なので、調べ方も分かっているので順調に進んで行くの。
意外な繋がりや、見掛け通りでなかった人物像。
ただあまり変化がないので、少々読み進めるのに時間が掛かる。
後半はそれが過去の事だけではなく、現実とリンクして来る。
そのあたりからやっと、面白くなって来る。
まあ、そこに辿り着くには、その過程が必要なのだが。

なぜ、祝福尼がオゥゴーマンを探してと頼んだのかも分かるのだが。
パトリック・オゥゴーマンという人物をもっと詳しく知りたくなる。
彼の心の動きは、どんなものだったのだろう。
複雑な人間関係も後半にギュッと詰まっていた。

1983年発行の文庫本。
人名の訳がこんな風になっている。
多分カタカナ表示では長すぎのだろう。始めに括弧で書かれていた。

無窮光修士(ブラザー・ライト・オブ・ジ・インフィニット)
堅実心修士(ブラザー・オブ・ステディ・ハート)
悔悟尼(シスタ・コントリション)
因業果尼(シスター・カーマ)
昇天栄光尼(シスター・グローリイ・オブ・アセッション)
舌修士(ブラザー・タング・オブ・プロフェッツ)
荊冠修士(ブラザー・クラウン・オブ・ソーンズ)

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