しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「凍れる森」 C.J.ボックス  

2009年11月11日 | 読書
「凍れる森」 C.J.ボックス     講談社文庫
  WINTERKILL     野口百合子・訳

『沈黙の森』から3年。
ワイオミング州猟区管理官のジョー・ピケットは、エルクの大量殺現場に遭遇する。
その場にいたのは、トゥエルヴ・スリープ郡国有林の地区監督官ラマー・ガーディナーだった。
逃げたガーディナーを何者かが殺す。
その殺人事件の調査に農務省森林局の特別捜査班が乗り込んで来る。
指揮を執るのはメリンダ・ストリックランド。
メリンダは高圧的な態度で乱暴な捜査を始め、ジョーは反発を感じる。
一方、森には〈独立市民〉と名乗る集団が国有地にキャンプを張り違法に居座る。
その中に、ピケット家の里子エイプリルの前に実母ジーニーがいた。
まだ正式に養女の手続きが済んでいないピケットの家族は不安を感じる。



『沈黙の森』の続編なので、すんなり物語に入っていけた。
またしても同じ間違いを起こすジョー。
前は拳銃を、今回は手錠を奪われ、相変わらずだなんて思ってしまう。
今回は最初から衝撃的な始まりで、物語に引き込まれた。
舞台は雪に覆われ、凍りつく寒さの森の中。
12月のクリスマス3日前の物語。
雪に覆われた世界が好きなので、それだけでも読んでいてテンションが上がる。
ちょっと成長した、性格がはっきりして来た子どもたちの様子も楽しい。

ジョーは正義感が強い。
普段は1人でする仕事がメインなので、好きな環境の中でのんびりやっていける。
しかし今回や前回の様に、人との問題が起こると、それが原因で職場では上手く行かなくなる。
本当はそんなのは変なことだが。
理不尽なことだと思うけれど、それが現実なのが悔しい。
そんなところは都会も自然に囲まれたところでも変わらない。

家族と仕事の両方の問題を抱えて頑張るジョー・ピケット。
とても感情移入が出来た。
『沈黙の森』より面白かった。


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