しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「トーマの心臓」2016 Studio Life

2016年03月23日 | 観劇
「トーマの心臓」2016 Studio Life

「トーマの心臓」 上演20周年 萩尾望都作品連鎖公演
2016.2.24(水)~3.13(日)     シアターサンモール

原作 萩尾望都
脚本・演出 倉田淳

<キャスト>
ユリスモール 山本芳樹
オスカー  笠原浩夫
エーリク  松本慎也
レドヴィ  石飛幸治
アンテ  田中俊裕
バッカス  曽世海司
サイフリート  仲原裕之

リーベ  松村泰一郎
アーダム  若林健吾
アル  江口翔平
イグー  青木隆敏
ヘルベルト  関戸博一

シュヴァルツ  楢原秀佳
ヴェルナー  倉本徹


今回は配役が笠原さんのオスカー、石飛さんのレドヴィと、卒業したキャスティングでの上演。
舞台のセットも少し変わり、ベッドが舞台と平行だったのが直角になり、出入口が下手に。
その為、奥に窓が出来た。舎監室がちょっと豪華になった感じ。
ユーリが窓の外を眺めることで、心情を表している所もあった。
毎回、図書館の本棚も少しずつ違う。
「ルネッサンスとヒューマニズム」の本は上手側に。

笠原オスカーと石飛レドヴィは生で観るのは始めて。
ユリスモールが山本さんなら、エーリクは及川さんで演じて欲しかったのだが。
それが残念。
松本さんのエーリクが、好きじゃない訳ではないが。

舞台に立つと、実年齢は関係ない。
笠原さんは、オスカーその物。
のびのびでおおらかな、そしてユーリを思い遣る優しさに溢れたオスカー。
ちょっと年齢を感じたのは、階段を駆け上がる時が一生懸命な様子があったことだけ。
そう言えば、オスカーは結構階段を駆け上がるのだ。
石飛さんのレドヴィもとても重みと深みがある。制服はちょっときつそうだったけど。
トーマの詩を朗読する場面が出来たのは、石飛レドヴィだからこそ、なのだろう。

場面と言えば、前回や前々回で消えた場面が復活した。
“先生に赤ちゃんが生まれたから、お祝いのカードを書こう”という場面。
やはり流れ的にはあれがあると繋がる。
ユーリの二重人格(!?)もはっきりするし。復活して良かった。

今回は今までになく5人組が個性的。
今までは、なんとなく5人でひとまとめ、みたいな感じが自分の中ではあった。
何となくみんな似ているし。
今回は青木イグーが、まず目立って個性的。
おっとりとして、優しくて。
ナイフでユーリがシャツを切った時、「血は出ていなかったよ」を、エーリクに教えるように言っていたのが1番印象深かい。
トラブった後でもエーリクを仲間として心配している。
松村リーベは腕白坊主で、せっかちな感じ。
好奇心旺盛なのは、江口アル。
若林アーダムが一般的な生徒をいう感じ。
どこかで、自分は5人組じゃないと言っていた関戸ヘルベルト。
確かに他の4人とはちょっと違う。班長として頑張っている分ちょっと早く成長しているのかも。
漫画だともっと優等生しているが、あの髪型からか、あまり優等生には見えないのだが。
しかしその分、5人組として登場した時、ユーリともしっかり同級生に見えた。
みんな余裕を持って楽しんでいる感じで、こちらも落ちついて観ていられる。

アンテは今まで観た中で、1番原作のアンテそのもの。クリクリの巻き毛。
宇佐美アンテも良かったけれど、可愛過ぎて、嫌味な所は少々足りなかったかも。
と、今回の田中アンテを見て思った。
表情の変化も上手かった。

若手が組んだユーリのママとおばあさま。子どもより若い2人だったけれど。
ここでも舞台では実年齢は関係ない、と思えた。
澤井さんは顔立ちが西欧人風だから、余計似合う。

トーマで笑いのある場面は少ないが、筆頭はお茶会。
すらりとした上級生たち。
今回は大人しめだった気がするが。
最後に久保シャールの背中を一人ずつ、バッシーンと叩いて行く。
笑ってしまったが、結構力が入って痛そう。久保君、大丈夫だったかな。ご苦労さま。

オスカーとミュラー校長の最後の場面も今回は今までより心に響いた。
何処が違っていたのだろう。

ひとつ、しっくりこないのが、倉本ヴェルナー。
実は「訪問者」の刑事バッハマンもそうなのだが。
河内さんが演じていた役で、雰囲気が全然違うからなのか。
ヴェルナーは前回の山崎さんの方がよかった。
何となく、倉本さんが胡散臭く感じるのだ。
考えて気が付いた。「アドルフに告ぐ」のランプ役がまだ頭に残っているからかも知れなと。
ランプはまさに原作から飛び出してきたようだったから。
うーん、困った。どこまでこの印象が残るのだろう。

しかし、色々後で考えると思い付くが、観ている時は「トーマ」の世界に入り込んでいる。
何度でも観たい作品。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「子守唄」  カーリン・イ... | トップ | 「訪問者」2016  St... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

観劇」カテゴリの最新記事