しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「ロイストン事件」  D・M・ディヴァイン

2015年04月04日 | 読書
「ロイストン事件」  D・M・ディヴァイン     現代教養文庫     
  THE ROYSTON AFFAIR          野中千恵子・訳

元弁護士のマーク・ロヴェルは4年ぶりに故郷のリヴァ―ヘッドに帰って来る。
マークは父親パトリックと一緒に弁護士をしていたが、4年前に起こったロイストン対新聞社トリビューンとの事件で意見が対立し弁護士を辞めて家を出ていた。
それは、トリビューン社に勤める義弟のデレクを偽証で告発する事だった。
その父親から、「重大事が起こり助けがいるから帰宅されたし」との手紙が届いたのだ。
家には継母のイローナがいて、マークを冷たく迎える。
イローナはデレクを溺愛していた。
パトリックはロイストン事件を再調査していたと言う。
しかし、マークが会う前にパトリックは何者かに殺されてしまう。
そして第2の殺人が起こり、デレクが容疑者になる。







タイトルの「ロイストン事件」は、教師のスキャンダルとそれを掲載した新聞社との名誉棄損の事件。
その4年前の事件がどう係っているのかと思ったが、事件はあまり触れずに別の方向へ。
タイトルだから気にしていたので、あまり関係ないようなので少々戸惑た。
いつロイストン事件が大きく係って来るのだろうと、気を回していたから。
読み進めて行くと、何が問題なのか少しずつ見えて来る。
それは、マークと同じ立場。
今まで読んだディヴァインではちょっと情けない主人公が多かったが、マークはとてもしっかりとしている。
勘も記憶もいいので、“何か引っ掛かっている”と言う事から真相を推理していく。
その引っ掛かりを、同じ様に目にしたり聞いていると言う事だが、自分には分からない。
少し変だなと思う事はあったのだが、通り過ぎてしまった。
最後は名探偵がみんなを集めて謎解きをするような、場面もあった。
これは今までなかったことで、盛り上がる感じで楽しめた。

最後にある、真田啓介さんの解説も面白かった。
“犯人を読者の疑いから守るテクニック”にまんまと引っ掛かっていた。

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