しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「クレイジー・ジャック」 ドナ・ジョー・ナポリ

2009年09月24日 | 読書
「クレイジー・ジャック」 ドナ・ジョー・ナポリ    JULIAN
Crazy Jack        金原瑞人/小林みき・訳

ジャックの家は農家で、働き者の両親と一緒にジャックも子どもの頃から手伝っていた。
ジャックが9歳の時、干ばつが起こり生活が苦しくなる。
そして、父親は畑と羊を賭け、負けて畑を失う。
羊を欲しがっていたのはジャックだった。
父親は母親と喧嘩が多くなり、ある日東にある岩壁を登り出す。
そして後を追っていたジャックの目の前で壁のふちから姿を消してしまう。
16歳になったジャックは父親の死の責任を感じていた。
その日が来るとジャックは壁にぶつかって行くという奇行を繰り返し、周りからクレイジー・ジャックを呼ばれていた。



「ジャックと豆の木」をモチーフにした物語。

父親を思うジャックの気持ち。
父親の唯一の悪癖が賭け事だった。
父親の死の原因も、賭けで負けたことさえも自分が原因だったと責任を負うジャック。
何か家族にあった時、自分がこうしていたら起こらなかったのではと、思ってしまうのはよくあることだそうだ。
周りから見たら、そんなことはないと思うのだが。
辛さや悲しさが、自分を責めることに向いてしまうのだろうか。
そして、そのことは他の人にはなかなか話せない。
ずっともやもやした気持ちで、それに囚われていた。
そんな気持ちが豆の木を登らせた。
ジャックが越えなければならなかった壁。
父親の死としっかり向き合うことだったのかも知れない。

今回は、表面は結構今まで知っている「ジャックと豆の木」と同じ感じ。
主人公がジャックだから。
しかし、ジャックの心理は細かく書かれているから、違う物語になっている。
そして、今まで読んだナポリの物語は、魔女や野獣から観たものだったので、考えてしまった。
大男はどうして雲の上に住むことになったのだろうと。
豆の木から落ちた大男は本来の姿に戻ったとある。
きっと大男にも物語があったのだろう。
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