しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「いつか陽のあたる場所で」 乃南アサ 

2011年02月24日 | 読書
「いつか陽のあたる場所で」 乃南アサ   新潮文庫

小森谷芭子は29歳。
22歳の時に、昏睡強盗罪で懲役7年の刑に服役する。
家族からは縁を切られたが、下町の谷中にある、亡くなった祖母の家をもらい1人暮らしをしている。
ひっそりと暮らす芭子の友人は、刑務所で知り合った江口綾香、41歳。
綾香は、夫の暴力から子どもを守るために夫を殺し、5年の刑だった。
芭子より3ヶ月後に出所した綾香は、近くにアパートを借りて暮らし始める。
目立たぬよう、過去が周りの住人にばれないよう、息を詰めるようにして生活する芭子。
仕事も、賃金は安いが人との付き合いが少ない、マッサージの治療院の受付をしている。
それに反して綾香は明るく、今までの失った時間を取り戻そうとするかのようだった。
パン屋に勤め、いつか独立するという夢を持っている綾香。
そんな2人の物語。
そして、この地域のお巡りさんが、あの高木聖大くん。



今までにあまり読んだことがなかった、ちょっと視点の違う物語。
罪の一線を越えてしまう人と、留まる人。
少しの違いに見えるけれど、結構大きな違いのような気がする。
芭子は、それが分かっていて、また暴走しないように常に気を張っている。
綾香もそれは同じなのだと思うが、表現の仕方が違う。
形だけでも、整えようとする綾香。
明るく振舞う方が大変な時もあるけれど、行動に心が付いていくこともある。
その2人が一緒にいることが、お互いに助けになっている所がいい。
この2人の物語はシリーズで続いているそうだ。
芭子と家族がこのままなのか、興味がある。

しかし、高木聖大はあんなにうっとしい性格だったかな。
芭子じゃなくても、警戒してしまいそうだ。
お巡りさんなのに。

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