しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「被告A」 折原一  

2005年12月17日 | 読書
東京杉並区の連続殺人は、死体の傍らに悪魔の絵柄のトランプが置かれる事から
『ジョーカー連続殺人事件』と呼ばれた。現場近くで、トランプを持っていた事で
容疑者にされた田宮亮太は取り調べの過酷さから、精神と生命の危機を感じ自供する。
被告Aとなった亮太は、裁判で冤罪を主張しつつ、自分を陥れた者への復讐を誓う。
そして、被害者の遺族の中に犯人がいると考えはじめる。
同じ頃、息子を誘拐された教育評論家の浅野初子は、犯人から届けられたトランプのカードから、犯人はジョーカーだと確信する。
初子は警察には届けずに、一人で身代金の受け渡しを犯人の指示し従って行うが、
犯人は何度も、受け渡しを保留にして時間が経っていく。
初子は息子をジョーカーの5人目の被害者にしない為、孤軍奮闘する。

2つの事件の繋がりは、『ジョーカー連続殺人事件』。それだけで、後は分からない。
しかし、追い詰められていった時の、亮太と初子の気持ちの現われが似ているので、
この2人は親子なのかとも思うが、亮太は警察にいるし、時間軸はどうなんだろう?
と考えながらさっぱり分からなく、最後まで読んでしまった。
結果、やはり亮太と初子は親子だった。これはあっていた。
しかし、初子はジョーカーを知っていたのに、不思議に思わなかったのだろうか。
この話のテーマも、犯罪被害者が法律の手に犯人を委ねても、満足のいく解決には
ならないと言う事があるのだろう。
大掛かりなからくりで意外だった。
しかし、この解決もお金持ちでなければ出来ないと言う所に、ちょっと引っかかる。
世の中、何事もお金か・・・と卑屈に思う。
しかし、本当の犯人と決めたのはただの勘だったのか。もっと確信のある証拠があれば
納得するが、もし違っていたら、大変な事だ。そこらへんも引っかかった。
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