しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「許されざる者」 レイフ・GW・ベーション 

2018年09月21日 | 読書
「許されざる者」 レイフ・GW・ベーション    創元推理文庫  
 DEN DOENDE DETEKTIVEN    久山葉子・訳

国家犯罪捜査局の元凄腕長官ラーシュ・マッティン・ヨハンソン。
脳梗塞で倒れ、一命はとりとめたものの、右半身に麻痺が残る。
そんな彼に主治医の女性が相談をもちかけた。
牧師だった父が、懺悔で25年前の未解決事件の犯人について聞いていたというのだ。
9歳の少女が暴行の上殺害された事件。
だが、事件は時効になっていた。
ラーシュは相棒だった元捜査官や介護士を手足に、事件を調べ直す。
報いを受けさせることは出来るのか。
    <文庫本1頁目より>
 






過去の事件を捜査し、犯人にたどり着く。
そんな物語は多い。
これは、その殺人事件がすでに時効になっていた。
それでも捜査すると、犯人が分かる。
そして犯人は生きている。
それを公表すれば、個人的に復讐をする人はいる事が予想出来る。
それもまた、犯罪になるのだ。
ただ、少女を殺すような残虐な犯人をそのまま見過ごす事もしたくない。
こんな内容は今までにはなかった。
それをどう解決していくのか。
ヨハンソンは明確に答えを出す。
冷静に、そして鋭く物事を見て行くヨハンソンに好感が持てる。
ただ、自分の身体だけは、冷静に観察出来なかったという事なのか。
それが思わぬ結末のなってしまったのは、残念。

捜査の途中で、犯人が一時海外にいた事が分かる。
これで時効が延びたと思ったが、スウェーデンでは、それはないようだ。
この事件の結末は、ヨハンソンが望んだようにはならなかった。
ヨハンソンが考えたより、犯人には心がなかったということなのだろうか。


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