しましましっぽ

読んだ本の簡単な粗筋と感想のブログです。

「上と外」 恩田陸  

2009年07月29日 | 読書
「上と外」 恩田陸     幻冬舎

1 素晴らしき休日
2 緑の底
3 神々と死者の迷宮
5 みんなの国

全五巻書き下ろし、隔月の連続刊行されたものを1冊にしたもの。

15歳の楢崎練は両親が離婚していた。
考古学者の父親賢は外国で働いている為、祖父の家族と暮している。
1年に1度、夏休みに母親千鶴子と妹の千華子と元家族4人が集まる。
今年は賢が派遣されていた中央アメリカの高地の都市、G国に3人がやって来た。
その、密林と遺跡と軍事政権のG国でクーダターが発生し、練と千華子の2人が密林に取り残されることになる。



設定は面白いのだが、練と千華子が中学生と小学生と言うのが、少々幼過ぎる気がする。
読んでいても、もっと上の感じがあるので、なんとなくしっくり来ない。
家族のこと、国家のこと、民族のこと、と色々な人間関係が出て来る。
しかし、メインは冒険物語だろうか。
密林の中でのサバイバル。
そして以外な形で別の冒険場所に移り、そこでも生きるためのサバイバル。
しかし、ゲーム感覚でもある。
ここら辺はかなり作り物めいた感じがするが、実際そうだった。
それまでの雰囲気とちょっと違うので、あまりひとつの物語として、のめり込めない感じがあった。
教訓めいたところがあって、世の中の仕組みなど考えさせられる物語でもある。
練の祖父がよく出来た理想的な人間として登場。
本当の財産は人との繋がりだと教えてくれる。

しかし、人との付き合いが苦手な人間には、ちょっと辛い。
それにどんなに頑張っても、頑張るエリアによっては人脈は限られるだろうと思う。

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